【2j3j】【cr】savior 【男主】 (ページ2)

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エピソード2 ページ2

「あー､やらかした。」

目の前に広がる天井を眺めながらボソッと呟く
少し寝返りを打つと首に繋がれた鎖が音を立てた

自分の存在を隠すために森の奥で眠っていたけれど
何故か目が覚めた時にはどこかのギャングに捕まっていた

硬いベッドから立ち上がって自身の体へ視線を向ける
手足と首につけられた首輪からは謎の力が働いて自分の能力を満足に使うことができない
使えなくはないけど､制御ができないからどれくらいの規模で力が出てしまうのか自分ではわからない状態なのだ

着せられた大きめのシャツから覗く足は
所々赤黒く変色していた

「あいつら､俺が能力使えないからって好き勝手しやがって。」

昔から同じような扱いされてたし痛みにも強い方で
能力である程度軽減できるから今の所あまり苦痛は感じないことが幸いだろう
この迷惑な能力も少しは役に立つことがあるのが皮肉だ

「あいつ､元気にしてるかな。」

聞いた話だと､あれから三年月日が経ったらしい

俺は生まれてから孤児で､ロスサントスのスラム街で育ってきた
家もないから誰も使ってない小屋を家がわりにして､生きるために盗みもいっぱいやってきた

そんな時､ヘマして結構な怪我をして死にかけてた俺を助けてくれたやつがいて
それからそいつとよく遊ぶようになっていた
奴らの仕業で、寝る前の記憶が薄れて何も覚えてないけど俺にとってとても大切な存在だったことは覚えてる

あいつが能力目当てのやつに攫われそうになった時助けた時に負った火傷が俺の背中にはまだ残っていた
あいつは申し訳なさそうに泣いていたけど
俺にとっては唯一の友人を守れた勲章に近いような傷だ

5年前､能力の開花が始まった俺は自分が特別強い力を持っていることを知った
それから周りから一層煙たがられたし､もしそれをあいつに知られて､嫌悪感を出されたらってことを考えて
嫌われるくらいならと､何も言わず姿を消した

「怒ってるかな〜､もしかしたらもう俺のことなんて覚えてないかも。」

5年前に突然消えたやつのことなんか覚えてないよなぁ。と嘲笑しながら首元に見える火傷の跡をなぞる
でも俺が生きてきた中で初めてできた友人に会いたいという気持ちは変わらなくて
三年かけてやっと自分の力を制御できるようになって起きたら､まさか捕まってるとは思わなかった

「どーするかな。」

あんまり騒ぎを起こして大ごとになっても困るしどうするかと悩んでいると
ドアの向こうから一発の銃声が聞こえた