掃除屋はじめました。２【A3】 (ページ4)

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32話ページ4

『うぃーいい湯だーー』

いづみ｢なんかオヤジみたいになってるよ笑｣

さすが寮。お風呂もデカいぜ。しかも美人と二人きりだぜ。俺得だぜ。

『いやー服とか色々何から何までありがとーございます』

今朝、家を出た時。部屋の荷物をある程度まとめ終わったと思ったら速攻で追い出されたのでなんと財布とスマホしか持っていなかった。
それを立花さんに伝えたところ、しばらくの間は立花さんが服を貸してくれるって。日用品とかも寮に余ってるのがあるからそれを使っていいって言われた。女神ですね。

改めて礼をいったら｢これから一緒に生活していくから、気にしないで｣って。女神ですね。

いづみ｢あと、一緒に生活するんだし…｣

『？はい』

いづみ｢…Aちゃん、って…呼んでもいいかな？｣

(ん"ん"ッ)

『…ええ、勿論ですよ。いづみさん！』

楽園はここにあった。

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いづみside

いづみ｢あれ？Aちゃん、それ＿｣

ふと、目に入ったそれは、Aちゃんの背中の腰あたりにあった。

『…あーっと、バレてしまいましたね』

いづみ｢…蝶だ｣

それは私の掌くらいの大きさで、今にも動き出しそうな、美しく舞う一匹の蝶の刺青だった。
あれ、と少し違和感があった。蝶の羽の一部分が不自然に盛り上がっている。ほとんど無意識で手を伸ばしていた。あと、数センチで、と言うところでAちゃんに止められた。

『お触りはNGですよー』

いづみ｢これ、傷跡…？その上に刺青入れたの？｣

『いづみさん、』

『あなたは何も、見てない』

そうですよね、と冷たい目で笑うAちゃんに、私は頷くしかなかった。