54話 +α ページ27
-雄三side-
掃除屋の歓迎を兼ねた、地方公演の練習を劇場でやるから見に来て欲しい。という連絡があったのが昨日。丁度予定も無かったから来てみたが。
雄三｢完っ全にメインは歓迎会だよな｣
いづみ｢あはは…バレちゃいましたか｣
雄三｢ったりめーだ｣
一応歓迎会はやったんですけどね。その子どうやらウチの劇団のファンらしくって…という言葉に、眉間に皺がよった。
雄三｢頼まれたからやるってのか。たった一人のために
お遊戯の発表会じゃねぇんだぞ｣
いづみ｢いえ、頼まれたわけじゃないんです｣
いづみ｢皆が、彼女に見てほしいって｣
雄三｢あいつらが？｣
いづみ｢はい｣
ファンを雇うのはあんまり良くねぇと思うが、
どうやら随分と上手くやってるみたいだ。
いづみ｢とても面白い子ですよ｣
＿＿＿＿＿＿＿
なるほど面白い。
死んでいた目が、舞台が始まった途端一気に輝きだす。
初めの印象は、なんだか得体の知れねぇ奴だと思ったが。
(なんて分かりやすい奴だ)
子供のように夢中になって舞台を眺める姿からは、ひしひしと
演劇が好きだ、と伝わってくる。
それに、凄まじい集中力。
＿＿＿＿もし、コイツが演じたら？
どうなるだろうか。教えてみたい。
コーチ魂というのか、好奇心をくすぐられる。
面白い奴だ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
《番外編》
『あのさ…実は、あたし…
いや、俺……
男だったんだ！！！』
万里｢あー、知ってた知ってた｣
至｢周知の事実｣
『あのさ？せめてツッコンで？？
あるでしょう？お前嘘つくなよとか、女じゃんとか、エイプリルフールもう過ぎてるよとか、女じゃんとか、女じゃん！！！！』
万里｢お前ももうちょいあったろ
なんだよ男だったって。もっと他にあるだろ｣
『あぁ？』
至｢もうちょいリアルな、ちょっとありそう、みたいな｣
『例えば？』
至｢実は重い病気で薬漬けの日々を送ってる｣
万里｢いや、ねーわ笑｣
至｢リアルでちょっとありそうだろ笑｣
『エイプリルフールに本当のこと言ったら意味なくね？笑笑』
万里｢｣
至｢｣
『まぁエイプリルフール過ぎてるけどな笑』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 211人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：野次 | 作成日時：2018年8月12日 18時
