掃除屋はじめました。２【A3】 (ページ18)

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45話ページ18

-至side-

(ｶﾞﾁｬｯ

『なんだ、ちゃんと荷物用意してんじゃん
準備したならそのまま家にいろや…』

至｢え、こんだけ？｣

玄関を開けると、すぐの所に４つダンボールが積まれていた。

…なんというか

至｢…いや、少なくね？｣

『そうですかね？』

どう考えても少ないだろ。

一箱分の大きさは大してない。
しかもそれがたったの４箱。

(ＪＫってもっと色々あるもんじゃないの…？)

ＪＫに限らず、女は荷物が多いイメージがある。

うえさまは早速一番上の箱を持ち上げた。

…随分と軽そうだが。

まぁうえさまだけに運ばせる訳にもいかないので、俺も次の箱を持ち上げる。

…が、

至｢…ねぇ、一応聞くけど

コレ、中身何入ってんの？｣

『あー、ちょうどあたしと茅ヶ崎さんが持ってんのはクッションが入ってて
次の箱がゲーム。
あとは……なんだっけ服とか？その他の箱』

(服をその他に分類するのか)

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『今日はまじ、ありがとうございました』

至｢どういたしまして｣

あの後、うえさまの希望で花屋に寄って、

今は帰りの車内。

行きと同じようにくだらない話をしながら、運転をする。

うえさまは今度は自分のゲームのLP消費をしつつ、色々話を振ってきた。

＿＿＿＿＿誰にだって“裏”があるから

至｢＿そう言えば、｣

『はい？』

至｢Aの裏って、どんな感じ？｣

ただの世間話の一環として、

ただ、少しだけの好奇心で尋ねただけであって。

特に深い意味は無かった。

信号が赤に変わったので、ゆっくりと停車する。

どうなんだ、というようにうえさまの顔を覗き込んだ。

が、

『…さぁ？』

妖艶に微笑む姿に、釘付けになった。

指先で唇をなぞり

伏し目がちにこちらを見る。

思わずゴクリと唾を飲み込こんだ。

.

すると、急に

ニコッといつもの笑顔に戻る。

『茅ヶ崎さん、信号青です』

至｢……はい｣

車がゆっくりと動き出す。

隣ではうえさまがクツクツと笑っている。

(かんっぜんに呑まれた)

ちょっと顔が熱い気がする。

いつまでも笑うもんだから、少し頭を小突いたら大爆笑をし始めた。

『あー笑
涙出てきた』

至｢最悪だわ｣

.

『でも』

『ミステリアスな女性の方が魅力的でしょう？』

ね、至くん。
と、こちらに無邪気に笑いかけるAに

少しだけドキリとした気がした。