◯〈科em〉※閲覧注意※ ページ18
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Aさん、起きてください。
聞き馴染みのある、大好きな彼の声で目を覚ます。
ゆっくりまぶたを開けると「おはようございます。」とエーミールさんがこちらを見て微笑んでいた。
em「朝食はもう出来ていますよ。一緒に食べましょう。」
ゆっくり立ち上がり私に背を向けるエーミールさん。私は寝ぼけ眼で彼をぼーっとみて
「ん……。」
と彼の前に両手を差し出すよう広げる。
エーミールさんは振り返り両手を広げる私を見てひとつのため息。
em「たまには一人で起き上がりなさい。ほら、」
「んー、やだ。やです。抱っこしてください。眠い。歩けない。」
駄々をこねると、ちょろいエーミールさんは呆れ顔で、でも迷惑そうな感じはなく「しょうがないですね。」とひょいと抱き上げた。
「ありがとうございます。こっちのほうが、楽。」
em「まぁ歩かない貴方は楽でしょうね……。それにしても、貴方、軽すぎません? ちゃんと3食与えているはずなのですが……。」
「足って、一本何kgぐらいあるんですか?」
……さぁ、平均で10kgぐらいでしょうか。まぁ貴方は元々細いので8kgほどしか無かったのでは。
「ふぅん、結構重いんですね。前と、どっちがすきですか?」
彼は「何を当たり前のことを」みたいな表情で私を見た。
em「今も前も、どちらも好きに決まっているでしょう? たかが体の一部がなくても貴方が好きに変わりはありませんよ。」
ほんと!? やったぁ、嬉しい!!
嬉しくて、太ももまでしか感覚がない足をバタバタさせて「ほら、暴れない。」って怒られちゃった。
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足欠損。
敵と交戦してるときに怪我したか、またはわざとか。
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作者名:ぐりんてぃ | 作成日時:2023年12月23日 8時