だったらいいなあ ページ7
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押し黙った。
彼女がメガネをゆっくり外して、視線もゆっくり外して。
そうしてコツリと置いたテーブルの上は、相変わらず書類だらけ。
「…だから、深澤さんだったらいいなあって思ってました。Aさんが物凄く可愛くなった原因。」
「…分かってたんだ。」
「確信に近い疑惑でしたけどね。…でも、推してたんで密かに。」
そのカプをね。
カプって言ったら首を傾げられそうだから、専門用語は胸に閉まっておく。
この人、ホテルの用語しか知らないから。
そうなんだ、ってしみじみしてる。
もう戻らない過去を振り返るように。
ああ、あんなこともあったなあ。って、眩しいものを見て懐かしむように。
それは過去なんかじゃないし、未来だって変えられるのに。
もしかしたら、未来はもっと輝いているかもしれないのに。
直ぐに諦めてしまうのが彼女の悪い癖だと思う。
「…捨ててもいいんですよ。」
「もう、捨てたよ？」
キョトンとしたような悲しそうな笑顔で首を傾げられる。
可愛いけどそうじゃない。
「違くて。…あの事。
ピクリと、彼女の眉が動いた。
言っちゃいけない事を言っているのは分かってる。
ここにいる人たちの思いを無下にしている事も。
案の定、少しだけ笑ったAさんは
「そんなの、許されない。」
って。
……許すよ。
私が、許します。
ここから逃げて、誰かから非難されたとしても、私が矢面にたってAさんを守ってみせる。
……守り、たい。
だって、Aさんにしてあげられることはそれくらいしかないから。
…それすら、彼女はさせてくれない。
守られることをヨシとしない人だから。
だかこそ、深澤さんが良くって、…。
駄目だ、堂々巡りになっちゃう。
「マキちゃん。」
グルグル考えてる私の肩を、そっとAさんが優しく触れた。
なんですが、って聞いた声が掠れてしまい、少しだけ咳払いをする。
「…貴方こそ。いつでも、逃げていいからね。」
……ああ。
Aさんは何も分かってない。
何もかも失った私がたどり着いたここに、どれだけ執着しているか。
息を吸ってそう言おうとして、ピタリと止まった。
……今、私がAさんに言っているのはそういう事だ。
何もかもを捨てて頑張ってきたことを捨てていいなんて、そんな、
「ありがとう。」
…どうして。
どうしてAさんばかり、こんな目に遭わなきゃいけないの。
自分で選んだ道とはいえ、茨すぎてどうしようもない。
唇をかみ締めて俯いた私の頭を、大好きで優しい先輩の手が往復した。
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ayaka(プロフ) - necoさんお久しぶりです。お元気されてますでしょうか？necoさんのよきタイミングでまた更新されることを楽しみに願ってます！それまでに何回も読み返します！！Twitterも突然消えてしまい勝手ながら心配もしておりました。お元気で過ごされることを願ってます。 (5月1日 1時) (
レス) id: d413d8c2c2 (このIDを非表示/違反報告)
knn0522(プロフ) - necoさんお久しぶりです、お元気ですか？素敵なお話いつもありがとうございます。大好きなnecoさんのお話をまた見れること楽しみにしています！！necoさんもnecoさんのお話も大好きです♡♡♡ (4月10日 23時) (レス) id: 99ff5c5b2a (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - necoさんお元気ですか？Twitter消されてしまったのでしょうか？更新楽しみにしております！ (4月1日 1時) (レス) id: da3147202e (このIDを非表示/違反報告)
まー(プロフ) - necoさんお元気ですか...？体調いかがお過ごしでしょうか。また更新待ってます！楽しみです！ (3月28日 17時) (レス) id: 936cda87a6 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - necoさんお元気ですか？更新楽しみにしています(..) (3月15日 23時) (レス) id: d95b7f4774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：neco
| 作成日時：2024年2月20日 18時
