恋の一方通行 ページ5
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……意外だった。
小雪さんも、泣いて縋り付く事があるんだ。
そう目を張れば、
「私にだって人の心があるのよ。」
って。
最近、どこかで誰かから聞いたようなセリフを苦笑混じりに言われて、まあそうだよね、って。
誰かにとっての本命は、その本命がいる。
その恋の矢印がお互いを向くことは、それ即ち奇跡だ。
「…トモノリさんが、どうしても好きなのよ。」
消えそうな声音で呟いた。
その後ろ姿は、先程まで激昂していた姿とは異なって。
何だか、体の不純物を全て出し切ったような、そんな感じ。
エレベーターの中でAに図星をつかれて、小雪さんの何かが変わったのかもしれない。
「好きだから、貴方の好きを利用した。私がトモノリさんを好きなように、貴方が私を無条件で好きでいてくれるのが心地よかったの。」
「……分かるよ。俺も、俺が小雪さんを好きだったみたいにAが俺を無条件で好きでいてくれたのが、凄く救われた気分になった。」
好きでいてくれたよね。
利用していいよ、なんて不器用な言葉から始まった関係だけど、
彼女の「利用していいよ」は「あなたのことが好きです」と同じ意味だった。
それに気付くのが、ただ遅かっただけの話。
……いや、気付いてた。
気付いてたど、気付かないフリをしてた。
だって、その方が都合が良かったから。
でもAは、気付かないフリをしていたのを気付いていて、それごと何も知らんぷりしてたんだ。
「…何で、恋って一方通行なんだろう。」
ふ、って笑う。
確か、西寺さんは既婚者だった筈。
小雪さんも報われない恋をしていた。
俺も、Aも。
…康二も。
「…帰るの？」
黒のタートルネックを着て、その上から赤のワンピースを着始めた小雪さんに声をかける。
嘲笑するように鼻を鳴らしながら
「そんなわけないじゃない。今下に行ったらプライドが死ぬに決まってるでしょう。」
って蔑んだ彼女は、やっぱり元通りになっていた。
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ayaka(プロフ) - necoさんお久しぶりです。お元気されてますでしょうか？necoさんのよきタイミングでまた更新されることを楽しみに願ってます！それまでに何回も読み返します！！Twitterも突然消えてしまい勝手ながら心配もしておりました。お元気で過ごされることを願ってます。 (5月1日 1時) (
レス) id: d413d8c2c2 (このIDを非表示/違反報告)
knn0522(プロフ) - necoさんお久しぶりです、お元気ですか？素敵なお話いつもありがとうございます。大好きなnecoさんのお話をまた見れること楽しみにしています！！necoさんもnecoさんのお話も大好きです♡♡♡ (4月10日 23時) (レス) id: 99ff5c5b2a (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - necoさんお元気ですか？Twitter消されてしまったのでしょうか？更新楽しみにしております！ (4月1日 1時) (レス) id: da3147202e (このIDを非表示/違反報告)
まー(プロフ) - necoさんお元気ですか...？体調いかがお過ごしでしょうか。また更新待ってます！楽しみです！ (3月28日 17時) (レス) id: 936cda87a6 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - necoさんお元気ですか？更新楽しみにしています(..) (3月15日 23時) (レス) id: d95b7f4774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：neco
| 作成日時：2024年2月20日 18時
