詰問 ページ38
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あれから、辰哉くんが何をしても、
どこに行っても。
私はひとりで、ずっと辰哉くんの家で待っていて。
だってそうでしょ、
ずっとここに居なきゃ、
もしかしたら連れ込まれちゃうかもしれないでしょ。
「ただいま、」
優しい笑顔で帰ってくる。
嘘つき、本当は笑顔なんて作れるほど私の事好きじゃないくせに。
だから私は、わざと試すようなフリをしてそっぽを向く。
そうしたら、
困ったようにまた笑って
後ろから抱き締めてくれるから。
「ただいま、A」
「…おかえり、」
ここでようやく、おかえり、って言う。
アウターを脱がせて、
手を洗ってもらって、
そうして次に、
「ん。」
って、携帯を出させる。
「A、」
「…早く、」
素直に従う辰哉くんが浮気なんてしてないこと、
本当は分かってるのに。
事ある事に、あの日の真実を話そうとしてくれてるの、
わかってるのに
でも、聞く気になれないの。
だってその話の最後は
「ごめん、まだ小雪さんが好きなんだ。」
か、
「別れよ」
でしょ
「…なにも、やましい事なかったよ。」
「ごめんね、信じられない」
これは誰？
これはどういうこと？
全部全部を聞きながら、
芸能人の守秘義務だってあるはずなのに。
この職業をしてる私がいちばんよくわかってるはずなのに、
聞いてしまって。
ちょっとでも言葉に詰まったら、怪しくて詰ってしまう。
辰哉くんも嫌でしょこんな女。
でも、あなたが優しいのが悪いんだよ。
優しいから小雪さんを中に入れるんでしょ？
こんな面倒くさい私を許容するんでしょ？
やっと尋問の時間が終わって、
ホッとした辰哉くんがキッチンに立つ。
「……うわ、美味そ。」
そんなの、ただの即席で作ったうどんなのに。
ちょっと具材を入れただけの、
男の人のお腹なんか満たせないようなものなのに。
「材料買いに行ってくれたんだ？」
「……だって、何もなかった。」
「そうだよね。ありがとうね、A」
「…別に。ここ空けたら、いつ小雪さんが入ってくるか分かんないから。」
ほら。
また悲しい顔。
「ねえ、」
って。
何かを話出そうとしたのに、それは止める。
「……早く食べよ。」
辰哉くんの横をすり抜けて、
棚の2番目に入れてある箸を2膳取り出した。
「ねえ辰哉くん。小雪さんは、ここに箸があるの知ってる？」
「…知らないよ。」
「辰哉くんが今日何してたか、知ってるの？」
「知らないよ、」
……なら、いっか。
まだ私が「いちばん」になれること、あるって。
気づけるだけで、心が仄暗く満たされた。
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mmk - 事務所に深澤さんの忘れ物のスマホ届けるところで出てくる警備員さん、「看守」じゃなくて「警備員」の方がいいと思います(笑)刑務所じゃないので(笑) (1月26日 9時) (
レス) @page6 id: 5934ce0412 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 今の展開、内容がこわいです。前みたいに甘くて幸せなのがいいなぁ😰 (11月18日 22時) (レス) @page48 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
maru_fwm_(プロフ) - 甘々終了して苦しいです😭このまま甘々でいて欲しかった😭ふっかと幸せになって欲しいって願ってしまってます😭季節の変わり目なのでお体にお気をつけてお過ごしください！更新楽しみにしています💪 (11月18日 2時) (レス) id: fe188d626d (このIDを非表示/違反報告)
korokoro(プロフ) - やっぱり来ましたねー！甘々終了のお知らせ(笑)主ちゃんが嫌な女になっていってるよー😭ふっかと結ばれるの?!はたまた別の人?! (11月18日 0時) (レス) id: bb423b67e0 (このIDを非表示/違反報告)
neco(プロフ) - (名前)あんずさん» そうなんですよ…、1度壊れたものって、元に戻るかな？っていう…。ここからどう持ち直すのか、果たしてもうやり直せないのか…。 (11月18日 0時) (レス) id: fcbd2b4e2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：neco
| 作成日時：2023年11月10日 19時
