【赤と白は出逢う】Side 白雪 ページ10
朝、鳥のさえずりが聞こえて目を覚ますと木々を通り抜けて心地よい風が肌を撫でる。
隣を見ると、Aはどこかの音を欲して耳を空に傾けていた。
『ん、よし。』
「……何が」
『お、白雪起きたか。いや、なに分かるさ。』
そう言ってAが引っ張ったのは白雪のくるまったローブ。白雪自身思いの外、強く握っていたことに恥じながらも手放すと、Aは何でもないように袖を通していく。
『お、やっぱり温かいな。』
未だ恥ずかしい白雪を置き、楽しそうに笑うとフードを深く被った。
それと同じぐらいだった、３人程の声が聞こえ、塀を飛んで越えようとする青年と、白雪は目が合った。
「「！？」」
そのまま落ちると思った刹那、白雪の隣から黒い影が動き、その青年を抱き込んで地面に下ろした。
そして、何事も無かったように白雪の隣に正座をする。
「な？！」
(な、な？なな？！)
白雪も青年も混乱する中、青年を心配する声がこちらにやって来た。
「ああ！大丈夫かゼン！？どこか擦りむいたのか！？頭打ってない！？1＋1は！？」
ゼンは擦りむいたらしい手を空いた手で重ねている。それを気にしつつ、冷めた目で言い放つ。
「2。あれ、お前誰だっけ？」
「！！ミツヒデだよ！」
高身長のミツヒデが悲しそうに叫ぶと、もう一人女性が木の間から出てきた。
「ああ！そんな名前だったんだ」
淡々として、全く抑揚のない所謂棒読みをしてみせる女性に白雪は思わず苦笑した。
「なんだよ木々まで！傷付くなー」
「ーで」
一拍置いて、ゼンは白雪たちの方を振り向く。
(見逃してはくれなかったか)
「お前達は本当に誰？」
どうしようか、と手に汗を握る。考えてたってどうにもならないし、打開策も浮かばない。何より相手は待たない。
「こんな森の奥で何を？」
『私達は、その、家出中の身でして…』
(え？！)
ゼンに白雪が問い詰められていると、高くも自然な女性の声が隣から確かにしたのだ。
驚きながらも、白雪はその船に乗る。
「そ、そうなんです。ただ、人通りの少ない道をーー」
それを聞こうともせずに、剣の鞘を白雪のフードにかけたゼンは邪魔だとでもいうように取っ払った。
白雪の赤く熟した林檎のような髪は朝の光を浴びて朝露のように光る。それはその場にいる誰もが、ずっと共にいたAでさえも目を惹き付けられてしまった。
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りなーる(プロフ) - 更新待ってましたぁぁ！ありがとうございます！また楽しみにしてます！ (5月29日 23時) (
レス) @page39 id: fcaf0d8ff7 (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - ゼン落ち探してたのでとても嬉しい作品です！更新とても楽しみにします！頑張って下さい！ (2018年9月4日 0時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)
漫画大好き少女(プロフ) - 私も思ってました！流石にオビオチが多すぎてゼン落ち探してましたよ〜w (2018年2月21日 19時) (レス) id: 412f05bc98 (このIDを非表示/違反報告)
はいざそう(プロフ) - コメントありがとうございます！ですよね、ゼン落ち少ないです…これを機に！とは言いませんが、ゼン落ち増えてくれたらなあと思ってます。見てくださる皆さんの為に頑張りたいと思います、励みになりました！ありがとうございます。 (2017年12月26日 23時) (レス) id: 3f8fc48687 (このIDを非表示/違反報告)
(｡ゝωσ)ｼｬﾗｯ☆(プロフ) - はじめまして！ゼン落ちが少ないっていう話私も同意見です！！ 書こうかなと思っていたんですけど書くネタがなくて更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2017年12月26日 20時) (レス) id: 0de7fe527f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はいざそう | 作成日時：2017年11月25日 18時
