【意思】Side 白雪 ページ18
手のひらから落ちていく林檎が、白雪は堕ちたも同然だと遠回しに言われている気がして、いい加減、腸が煮えくり返りそうだった。
「私としても、これほど目を楽しませる娘と分かれば、遠くへやるのは惜しいからな」
仄かに果実の匂いがするラジの手が白雪の赤髪を撫でていく。
(ああ、嫌だ。)
''赤っていうのは運命の色のことを言うんだろ''
''案外、いいものにつながってるかもしれないぞ''
''…綺麗だなあと''
''白雪、無理すんな''
(私は、あんな言葉をくれたあのひとたちの…)
そう思うと、白雪の力を込めた拳は自然に動いて、ラジの髪に触れる手を払った。
「！？ 何を…」
「あら失礼を、ラジ王子」
手に入れられるんじゃない、手にいられに行くのだ。
(せめて、私の意思で進んだようにしたい)
「……どうぞお好きに、お連れ下さい」
震えないように言い切った刹那、乱暴にドアが開かれた。
「却下あ！！！！」
「「！？」」
ゼンの足蹴りで。
衛兵が声を荒げてゼンに襲いかかるが軽く受け流す、開いたドアの向こうでは衛兵を拘束した３人がいた。
「それ以上、その娘の耳が汚れるような戯れ言を吐かないでもらおうか」
「ゼン……！」
走り寄ると解けた包帯を見せて笑った。
「よう白雪、これ結んでくれ」
「え、い、イヤその前にあなた体は…」
(Aも…)
チラリとAを見ると、ヒラヒラと手を振っていた。
『俺のことは気にするな』
「俺も、だ。万一のことを考えて毒には慣らされているからな」
微笑むが、その顔色は悪く汗もかいていて、無理をしているのだと否応になく分かった。
(そうなると、Aはどうなってるの…)
「そうか、毒を口にした男というのは君のことか！」
ラジが話し出すと、白雪はゼンの解けた包帯をしっかりと巻く。
「いや不運なことだった！白雪殿を動けない様にして連れてこさせる手筈だったのだが」
遠回しに要らんことをしてくれたと、わざとらしく吐いた。
「…お前が林檎を寄越した張本人か」
「口の利き方を気を付けろ、私と君とでは身分が違うのだぞ」
「…これは失礼を、ラジ・シェナザード殿」
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りなーる(プロフ) - 更新待ってましたぁぁ！ありがとうございます！また楽しみにしてます！ (5月29日 23時) (
レス) @page39 id: fcaf0d8ff7 (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - ゼン落ち探してたのでとても嬉しい作品です！更新とても楽しみにします！頑張って下さい！ (2018年9月4日 0時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)
漫画大好き少女(プロフ) - 私も思ってました！流石にオビオチが多すぎてゼン落ち探してましたよ〜w (2018年2月21日 19時) (レス) id: 412f05bc98 (このIDを非表示/違反報告)
はいざそう(プロフ) - コメントありがとうございます！ですよね、ゼン落ち少ないです…これを機に！とは言いませんが、ゼン落ち増えてくれたらなあと思ってます。見てくださる皆さんの為に頑張りたいと思います、励みになりました！ありがとうございます。 (2017年12月26日 23時) (レス) id: 3f8fc48687 (このIDを非表示/違反報告)
(｡ゝωσ)ｼｬﾗｯ☆(プロフ) - はじめまして！ゼン落ちが少ないっていう話私も同意見です！！ 書こうかなと思っていたんですけど書くネタがなくて更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2017年12月26日 20時) (レス) id: 0de7fe527f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はいざそう | 作成日時：2017年11月25日 18時
