淡く溺れて。2

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臣「おい、寝てんの？」







助手席には、マスクを着けて目を閉じてるA

明日ロケだからってちゃんと日付超える前に戻ってきたのに…

お前が寝てどうすんだよ








臣「ったく…」





まあ俺はもう、どうすることもないかな

直人さんのことはこいつに教えたし。






臣「……」







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「直人さんは…まだ何も知らないの？」







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数時間前

そう、ぽつりと呟いた








直人さんには教えてない

ってか、それは俺が教える役目じゃないと思ったし









…俺に勝ち目は、無しかな









最終的に

こいつはどっちを選ぶんだろう









本当に惜しい


こいつ本当、いい女だから。









俺も関係の持ち方、間違えてたな



少し自粛しよう、なんて思う



てかこいつにコト(・・)でも、勝る女は誰1人いないし









臣「…」









ふらふら揺れてんじゃねーよ




そんなんなら、俺のところに来ればいいのに。





そしたらなにも、悩まずに、傷つかなくて済むのに









そう言ったところで、信用ないのがオチだけど









臣「…ばーか」









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マスク越しに重ねた唇






きっとこれはもう、最後のキスになる









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臣「うわっ？！」









唇を離して体を元に戻すと

バックミラー越しに見えたあの人の顔









臣「ちょっ…！いつからいたんすか！！」








すぐに車の窓を開けて

もう一度その姿を確認する









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哲「見ーちゃった♡」









そこにいたのは


神出鬼没すぎる、哲也さん

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