淡く溺れて。2

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臣「Aには幸せになってほしいって…随分な言いようですね。傷つけておいて」









登坂の言葉は止まらなくて

でも何かに急かされてるような感じもなく

ただただ感情のまま、吐き出してる気がした









臣「最後に無理やり抱いたり、飽きたところだったって言ったり…








それ、結局自分を守ろうとしてるだけですよね？」









直「っでも…Aが俺に気を使っていつまでも引きずらないように…って…気負わずに岩ちゃんのところに行けるようにって…」








臣「本当にそうですか？」









え…？









臣「あいつが岩ちゃんを選んだなら、もう直人さんに未練なんかないですよあいつに。その時点で」









臣「決めたんですよ。未練なんかないのに、直人さんのこと傷つけまいと思ってたとしても、引きずるなんてことありますか？笑」








笑ってるけど馬鹿にしてるようでもない

ただただ、俺に呆れてる顔









臣「直人さんはただ、Aを傷つけただけですよ」









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心臓が、痛い


確かにそうだ


俺は自分で精一杯で


Aのためだと思ってたことも


本当は、自分で自己防衛してただけだったんだ









直「俺…良い歳して馬鹿すぎるな」





自分に呆れるしかない









直「でも…俺が傷つけた分、岩ちゃんが幸せにしてくれると思う」









臣「……その様子だと、未練あるのは直人さんの方ですか？」








目線の先には、はめてる指輪







Aはあの指輪をどうしただろうか









でも今度何かで会った時に付けてたらキモすぎだよな


時期を見て、外さないと









臣「……」









何か考えてるような登坂に気づくはずもなく

俺はまた、味のしないアルコールを流し込んだ

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