淡く溺れて。2

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静かな夜道


空は、小さな星たちが黒い空を彩ってる








…剛典、なにも話さない


彼の若干後ろで、私は歩く









この空気が気まづいなあ、なんて


でも、私の家まではこっちの道だからどうすることもできないんだけど。










冷たい風が、頬を霞むばかり









剛「…ねえ」



「わ…何…？」







いきなり止まるからびっくりした


振り返った顔は


凄く辛そうで 苦しそうで









吐き出すように言葉を出す









剛「また…前みたいなこと…してる…？」







多分それは、私が事務所の男達と欲をひたすらぶつけ合ってたこと







なんでそんなこと聞くんだろう


やっぱり、おみとあんな事なってたから勘違いしてるのかな









「してないよ」







真っ直ぐ、真っ直ぐ見る



私も、あんなことしてたのまだ子供だったな



もっと違う形で、悔しさを埋めればよかったのに




そんなこと今更思っても

仕方がないことなんだけど








剛「はぁ…っ！」




勢いよく座り込むから、驚かざるを得ない




「え、なに…？！」






剛「安心した」


「え…？」








夜道の上に、キャップを被ってるから、表情は見えない



でも 聞こえてきた声はすごく優しかった









剛「直人さんとああなって…また元に戻ってたらどうしようって…さっき臣さんともあんな体勢だったし…」






ああなって っていうのは、別れたことなんだよね

その言葉から垣間見える

少しの気遣い









剛「俺…もうAには自分を安売りとか…そういうことして欲しくないし…させたくないから…」









顔を上げて、目と目が真っ直ぐに合う








剛「もう…あんなことしないでほしい…」









言葉を、失ってしまう





そんな風に言われたら、心臓がギュッてなるから









剛「前、あんな風にさせちゃった俺が言うのもだけど…」









「…ほんと。馬鹿みたい」




剛「え…？」









「私だってもうアラサーだよ？もうあんなこと、2度としないから」








そんな目で見られると


そんな風に言われると


勘違いしてしまう









「だから…心配する必要ないから」









剛典が

まだ私のことを 好きなんじゃないかって

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