淡く溺れて。2

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「夏南ちゃん！！」




夏「A、久しぶり」









同じ事務所の先輩、大屋夏南ちゃん

歳は一個しか変わらないけど私の唯一の心を許せる友達で、専属雑誌も一緒なの









「夏南ちゃんに会えなくて寂しかった〜〜」


夏「出た、Aのデレ。そんなに会えて嬉しかった？(笑)」









だって専属が同じとは言え、なかなか会えないもんね

最近は映画とかドラマで忙しかったし





夏南ちゃんにはなんだか素直になれちゃう







なんだか、お姉ちゃんみたいで。








私は一人っ子だったから。









夏「何しけた顔してるの？ご無沙汰かな？」

「んー？なんの話？」




すっとぼけてみるけど、言いたいことはわかってる







夏「恋愛、直人さんとはどう？」





そうだ。私まだ夏南ちゃんに言ってなかったんだ

今更また自分で掘り返すのは辛かったりする








「振られちゃった、1ヶ月前に」


これ、何度目？3度目か




剛典と、おみには言ったもんね






夏「…え？」







みんな決まって、「嘘でしょ？」みたいな顔をする

私だって嘘であってほしかったよ









夏「それ、本当に言ってる？」



夏南ちゃんまでおみと似たようなことを言う

本当だよ、なんだか言葉が出なくて目で訴えるしかない









夏「先週ね、直人さんとも飲む機会があったの。ほら、来年また映画公開するでしょ？HiGH&LOWの」






そういえば事務所には、今公開してるRED…なんとかってやつのポスターがあちこちに貼ってた気がする



どんだけそのシリーズやるの？なんて思ったりしたやつか









夏「それで直人さんかなり飲んだみたいで酔ってて。最終的に私たち最後2人なってね、聞いたの。」




「聞いた…？」






何をだろう

なんだか、聞いてはいけないことを聞いてるような感覚に陥って緊張が全身に走る









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夏「 " A、好きだよ… " って」









「…え？」









夏南ちゃんが聞いたのはその言葉だけで






でも、







涙を、流してたんだって。









バーのカウンターに突っ伏しながら。









「ごめん」って、言いながら。

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