初めての感情 ページ27
太宰side
やっちゃった。そう思ってももう遅い。
目の前の彼女は目に軽く涙を浮かべて家を出ていった。
『仕方が無いだろう…』
誰もいない部屋で呟いても返事をする者はいない。
中也に渡したくなかったんだ──
1ヶ月間を彼女と過ごしていくうちに“一緒にいることが当たり前”になっていた。
けど、中也とAが一緒にいるのを見て思い出したんだ。
取られるかもしれない、と。
独占欲、嫉妬、束縛、どれも私には無縁だと思っていた。第一、そういうことをする女性が狭苦しくて私はそうはならないと勝手に思っていた。
あの笑顔を誰にも渡したくない。
あの言葉を誰にも向けて欲しくない。
あの仕草を誰にも見せて欲しくない。
あの声を誰にも聞かせたくない。
思えば思うほどどんどん募っていって先が見えなくなる。
私だけしかいないところで永遠に閉じ込められたらいいのに。
私がいくら女性から人気だからとはいえ
私もあれがファーストキスだったのだよ?
こんなことカッコ悪くて言えないけど。
さっきの感覚が離れない。思わず自分の唇をそっと撫でる。
太宰「好き…Aが好き」
生まれて初めて感じたこの感情──
だからこそ、中也に渡すわけにはいかない。
373人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みゅーな - はぅぅ…中也さんめっちゃイケメンでした!すごくおもしろかったです! (2018年6月24日 3時) (レス) id: 56a00e6f48 (このIDを非表示/違反報告)
和菓子 - ↓学校にね。 (付け足しすみません!) (2018年5月3日 20時) (レス) id: de9df62b61 (このIDを非表示/違反報告)
和菓子 - 面白かったです!こんな人が2人←もいたら私はとっくに気絶しておりますわ。 (2018年5月3日 20時) (レス) id: de9df62b61 (このIDを非表示/違反報告)
もえぎ(プロフ) - 桜来さん» どうしましょう。きっと好みの予感しかしない。よろこんで食べさせていただきます(何言ってんだ) (2018年4月29日 21時) (レス) id: 6de4597e1c (このIDを非表示/違反報告)
桜来(プロフ) - もえぎさん» まじでか。好みに沿わなかったらごめんなさい因みに肌白くて目の丸い女顔ですどうぞ。 (2018年4月29日 21時) (レス) id: 14172b4a75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あさぎ | 作成日時:2018年4月9日 20時