和葉の姉は自由気ままな人。【名探偵コナン】

＃１１ ページ12

「『いただきます。』」


そう言ってからも、私は箸をつけられなかった。

…だって気になるじゃないか。


ポアロの店員さんだよ？
めちゃくちゃ美味しいものを作る人だよ？



透「ん、……美味しい。」

『…ふふふ、そうですか。』


ふぅ…と、静かに息を吐いた。

よかった。美味しいと感じてくれて。





でも、ポアロの彼と雰囲気が違うのは気のせいだろうか。


私の目の前にいるのは誰？？




.

.

.

.


『…その傷、お風呂入れますかね…？』


そう聞くと、安室さんは「あー。」という顔をした。


透「…血がつく可能性もありますし……」

『あ、それはもう気にしなくて大丈夫ですけど。沁みますよね、絶対』

透「…まぁ、でも慣れましたから。」

『……そうなんですか。』





ご飯を食べ終わり、私は早速お風呂掃除に取り掛かった。


透「せめて、後片付けだけでも」

『いやいやいやいや。怪我人なんですから、座って大人しくしてください』

透「…いやしかし……」

『お客さんな訳ですし。』

透「…うーん。」


と、なかなかしぶとい安室さんに『Stay！！』と叫んで私は今ここにいる。




お風呂掃除が終わり、リビングに戻った。



『…Stayって叫びましたよね？私』

透「大人しくテレビ見てましたよ？」

『…あれれー？？なぜ食洗機の中の食器が綺麗なんですかね。』

透「さぁ？なんでですかね？」

『はぁ。まぁボタン押すだけですしあまり傷口に負担はないと思いますけど、』



そう言いながら私は紅茶を注ぐ準備に取り掛かった。


『安室さーん、アメリカのクッキー食べますー？あとコーヒーも。紅茶でもいいですけど』

透「うーん、そうですねぇ…。頂きましょうかね。」

『はーい。』



ケトルのスイッチを入れて、私は机の上をパパッと拭いた。



『…今日あまり面白いテレビやってないですね』

透「ニュースでも流しておきますか？」

『そうですね。お願いします』





《昨日、午後23時頃女性の遺体が発見されました。過去の事件同様、その女性はロングヘアで警察では連続殺人ではないかと言われております。》

『……。米花町ってほんとに事件多いですよね。』

透「そうですね。他と比べても米花町がずば抜けてますし」

『事件ホイホイみたいな存在でもいるんですかね』

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