青春をもう一度【青葉城西】13

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これはとある日の部活中のことだ






矢巾
イッ！


金田一
あ、先輩！大丈夫っすか


矢巾
おう、大丈夫。






ほんの少し集中力が欠けてしまった瞬間に、及川さんの強靭スパイクがクリーンヒットしてしまった






及川
うわああ ごめん！！


矢巾
俺は大丈夫なんで！練習続けててください！








なんて強がってみたけど、頭が少しクラクラする

でもうちの部活にはそんな些細な変化にも気づく、凄い人がいるんだ







「しげるくん、大丈夫…じゃないね。保健室で少し診てもらお」


矢巾
Aさん…


「奏ちゃん、しげるくんの様子見たいからちょっとの間任せても良いかな？あと、はじめくんにも外すこと言っておいてほしい」


奏
了解です！


「ありがとう。…よし、行こっか」









そう言うとAさんは俺の肩を手で支えながら一緒に保健室に向かってくれる

隣で、体調に気遣いながら歩いてくれる彼女に気づかれないようにそっと見てみるが、やっぱり綺麗で可愛くて、ドキドキと心臓がうるさい







「しげるくん？大丈夫？」


矢巾
へ？


「保健室着いたよ、1人で歩ける？」


矢巾
歩けますけど、どちらかと言うとずっとAさんとこうしていたいというか


「先生、お願いしまーす」


矢巾
フル無視っっっ








先生に診てもらうと、軽い脳震盪を起こしている可能性があるということで、少しの間ベッドで横になることになった

相変わらずクラクラする頭に嫌になりながら目を瞑ると、自然と睡魔が襲ってきた





_____ なんだか懐かしい夢を見た。懐かしい香りがする。これは、Aさんと出会ったあの春の香り。

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