結局特撮の夢が書きたい

居場所 (滅) ページ7

滅くん。

呼びかけると、なんだ？と言わんばかりの顔をして振り返ってくれる
特になにがあるってわけではない
呼びたかったから呼んだだけ

金髪のさらさらな髪の毛が揺れるし、長いまつ毛が瞬きする度にきらきらしてる


「で、なんだ。呼ぶだけ呼んで何も無いのか？」

『うん…特に何も無い…
滅くんって言いたかっただけ……』

「そうか」

『怒った？』

「いや、怒る理由がないな」


そう言った滅くんは私を抱きしめた
どうしたんでしょうか
急にそんなことされちゃうと、心臓バクバクしちゃうよ


「お前に呼ばれると安心する
俺の居場所はここなんだと教えてくれる気がして」

『ヒューマギアでもそんな気がするって思うことあるんだ』

「あぁ…そうみたいだな」


ヒューマギアって黒か白しかないと思ってた
グレーゾーンがちゃんとあるんだ

滅くんからの『気がして』って不思議な感じするけど、悪くは無い
それに……


『滅くんの居場所は沢山あるよ
私のそばだけじゃなくて、迅くんの傍にいてそう思わない？滅亡迅雷の4人が揃った時も、やっぱり滅くんもいてこその滅亡迅雷だと私は思ってるかな
もちろん、私の傍にもいて欲しいけどね』

「……そうか。俺の居場所はちゃんとあったんだな」

『そうだよ、ないわけないじゃん』


なんだろう、なんか今日の滅くんは距離がある
まるで遠くに行ってしまうような

そうか。って言った時、抱きしめてくれてた力が少し強くなってた
お返しで私もちょっと強めに抱き締め返したけど
なんだったんだろう


、


この日を最後に滅くんは私の前からいなくなった

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