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「また……っん?」
「オイラの顔に何かついてるか?」
「いっいえ…。」
いつも隣に座るのに、今回は後ろの席だ。
…いや別に寂しいとかじゃないけどさ。
少しだけ調子が狂う。
でも好都合だ。
そろそろ本気で勉強しないとまずい。
バスに揺られながら、スラスラとシャーペンを動かす。
すると、私の足元に何かが転がってきた。
「…?なにこれ……」
「あぁそれ、私のだわ!ごめんなさいね。」
「いえ、別に。…それなんですか?」
「ジョーク本!!あっ、ねぇ知ってる?
スケルトンって、てっ"コツ“マンションに住んでるんだって!」
「…ん?この流れ見覚えある…。」
少し騒がしかったからか、サンズ先生が顔を出してきた。
「すいません」と謝ろうとした矢先に、
先生が、ジョーク本を持っていたおばさんに声をかけた。
2人でしょうもないジョークを言い合っている。
私はこのカオスな状況に追いつけなくなる。
乗客も変な目で見始めている。
「えーと、…2人とも知り合いで?」
「知り合いっつーか…トリエルもモンスターなんだ」
「トリエル…??」
「紹介が遅れたわね。私はトリエル。
サンズと同じ、地底世界から来たの」
「あぁ……。」
「あなたのお名前は?」
「あっ、加藤 Aです。」
私の名前を聞いた瞬間、
トリエルさんは私のところに飛んできた。
「サンズから聞いているわ!」と言った。
…一体サンズ先生はどれだけのモンスターに私の話をしているんだろう。
「……具体的にどのような話を聞くんですか?」
「そうねぇ…。あっ、友達想いの生意気やつ、って聞くことが多いわね」
友達想い…。
私の中の嬉しいという感情が心から溢れ出てくる。
断じて恋なんかじゃない。
単に褒められて嬉しがってるだけ。
「あら!もう出なくちゃ!
それじゃあ、またどこかで会ったら話しましょうね!」
「はい…、また」
そうは言っても、私達もここで降りなくてはならない。
サンズ先生の交友関係って色々とすごいんだな。
「ほんじゃ、ここで」
「はい、さよなら」
あの2人が楽しそうに話してる時、
ずっと心が痛かった。
この感情は何…?
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ひなどり。(プロフ) - きもPさん» わぁっ、ありがとうございます!!そのお言葉、読む度に噛み締めております!中学生になって投稿頻度も落ちてきていますが、できる限りベストは尽くそうと思います! (4月30日 20時) (レス) @page21 id: dfd167e6a3 (このIDを非表示/違反報告)
きもP(プロフ) - 完全好みです、最高です。取り敢えず崇めておきます。 (4月30日 10時) (レス) id: 1099d16ec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなどり。 | 作成日時:2023年10月6日 17時