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バス停に着くと、
決まってサンズ先生の弟さんを見る。
まだ名前すら分からないのに、
結構会ってる気がする。
次、話しかけられた時に名前のことも聞いてみようかな、なんて思っていた。
「あ!ニンゲンッ!」
「…ごっご無沙汰です…。」
「元気か?」
「はい元気です。あっ待ってください。」
「ニェ!なんだッ!」
「名前は…何というのでしょうか?」
「すまん!俺様時間がないんだ!!後ろの兄ちゃんに聞いてくれッ!」
…後ろの兄ちゃん?
嫌な予感がして後ろを見ると、
予想通りにサンズ先生が立っていた。
普通に心臓に悪いからやめてほしい。
この人もしかして、弟さんのストーカーなのか。
「…オイラの弟の名前が気になるのか。」
「まぁ…はい。結構会ってるのに知らないので」
「パピルスだ、覚えとけ」
「サンズ先生じゃないんで、ちゃんと覚えます。」
「はぁ?どういう意味だ、そりゃ。」
バスが来ると、やっぱり私の隣にサンズ先生が
座ってくる。
嫌だけど、…嫌ではない。
なんなの。この気持ち。胸が痛い。
「サンズ先生…。」
「なんだ」
「いつも言ってますけど…
これが生徒と先生の距離ですか?」
「もしかして…意識してんのか」
「ちっ違います!!!!」
バスの中で叫んでしまったから、
人の視線が一気に集まってくる。
めちゃくちゃ恥ずかしい。
サンズ先生はなんか笑ってるし。
意識してるんじゃなくて、迷惑してるのに…!なんて言えず、また私はサンズ先生が隣にいることを許してしまった。
とりあえず、中間テストも近いので、
教科書を出して覚えるフリをする。
「おっ、理科か?」
「え、はっ、…はい。」
「理科係だから、しっかり点数取ってこいよ」
「……はい?」
「じゃ、よろしく」
「ちょ…、本気で無理ですって」
すると、前のおばあさんが、「あんた達は、仲がいいねぇ」なんて言ってきた。
「いや、生徒と先生ですから」と思わず反論してしまった。
サンズ先生もブンブンと首を縦に振っていた。
「加藤と恋仲なんてありえねぇな」
「いやなれる関係じゃないですから」
自分で言ってる言葉に、
少し胸がズキズキしてしまう自分がいた。
…これ、なんの病気?
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ひなどり。(プロフ) - きもPさん» わぁっ、ありがとうございます!!そのお言葉、読む度に噛み締めております!中学生になって投稿頻度も落ちてきていますが、できる限りベストは尽くそうと思います! (4月30日 20時) (レス) @page21 id: dfd167e6a3 (このIDを非表示/違反報告)
きもP(プロフ) - 完全好みです、最高です。取り敢えず崇めておきます。 (4月30日 10時) (レス) id: 1099d16ec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなどり。 | 作成日時:2023年10月6日 17時