6話目 ページ8
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隣からトランプが宙へ舞う。
いや、弾丸のように飛んでいく、
「ガッ……。」
さっきまで怒号を上げていた男がドサッと倒れる。
そして、その対角線にいるサトツさんはトランプを指で挟んでいた。
ヒソカ「くっく♠なるほど、なるほど♣︎」
ニヤニヤ笑う隣の彼。
すると、先程まで男に引きずられていた猿が鳴きながら逃げていく。
そして、その猿へにも向かってトランプを投げたヒソカ。
「………！！ あの猿、死んだフリを………！？」
今度こそ死んだ猿はピクピクしている。
ヒソカ「これで決定♦︎そっちが本物だね♥︎」
トランプをピンッとヒソカへ投げ返すサトツさん。
ヒソカ「試験官というのは、審査委員会から依頼されたハンターが無償で任務につくよの♠」
トランプを受け取ったヒソカは何故か私に1枚くれる。
ハートのA。
てか、なんで私に渡した？
ヒソカの方を見るとニヤリと笑いながらウインクしてくる。
貴方「……？」
怪訝な顔をしてヒソカをみると彼はまた話し始めた。
ヒソカ「我々が目指すハンターの端くれともあろう者が、あの程度の攻撃を防げないわけがないからね♣︎」
サトツ「ほめ言葉と受け取っておきましょう。しかし。」
身なりを軽くととのえコホンっと咳き込むサトツさん。
サトツ「次からはいかなる理由でも私への攻撃は試験官への反逆行為とみなして、即失格。よろしいですね。」
ヒソカ「はいはい♦︎」
「………。」
貴方「………。」
離してくださいヒソカさん。
一通り話を終えたヒソカは何故か私の頭を撫でる。
知り合いって思われたくないっす。
空から鳥が飛んでくる。今となっては死体となった怒号の男へ群がった。
サトツ「あれが敗者の姿です。」
「うっ…。」
むごい姿で毟られてく。
レオリオ「…自然の掟とはいえ、えぐいもんだぜ……。」
サトツ「私をニセ者扱いして受験者を混乱させ、何人か連れ去ろうとしたんでしょうな。こうした命懸けの騙し合いが日夜行われているわけです。」
髭を触りながら普通に話しだすサトツさん
サトツ「何人かはだまされかけて私を疑ったんじゃありませんか？」
実際のところ多いだろう。しかも長い道のりで体力を使った直後の判断力なんて一般的には鈍る。
サトツ「それではまいりましょうか。2次試験会場へ。」
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作者名：日和 | 作成日時：2023年12月14日 15時
