仮眠券 ページ36
2番目の脱落者が出たのは夕食前の空き時間のこと。
仮眠券を使ったゆめまるが時間通りに目覚めなかった。
ゆめまる「くっそ〜…」
てつや「ゆめまるー!」
手を振って見送ったゆめまるが悔しそうに顔を歪める。
かくいう私も極限状態を迎えており、
カフェインたっぷりの体に悪そうなドリンクを体に入れても効き目を感じない。
A「…」
としみつ「Aやばくない?」
A「やばい…」
ウトウトする私の傍にとしみつが寄り添うように座る。
としみつ「おい寝るな」
A「起きてるって」
そんな押し問答を繰り広げた私が出した結論は、仮眠券の使用だった。
A「晩ご飯まで1時間寝ます」
としみつ「俺もそうします!」
カメラに向かって宣言した後、ベッドが2つ並ぶ寝室へと移動。
思いっきりダイブすれば、柔らかいシーツが一瞬で私を夢の世界に誘う。
としみつ「A」
A「…ん?」
眠りにつくかつかないか、私はギリギリの状態で暗がりのとしみつの顔を見る。
としみつ「…あんまりょうとイチャつくなよ…」
掠れ声で言い残した言葉の真意を確かめる前に、私の脳は思考を停止した。
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77.0 - ほんとに素敵な表現力されてますね (2021年12月16日 1時) (レス) id: 5a0b14c285 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズおかき | 作成日時:2021年2月22日 15時