やりたいこと ページ27
私には何ができるんだろう。
胸を張って言えるような才能も夢もないまま、
東海オンエアに縋り付くような私。
周りが世界や視野を広げていく中、何者でもない私だけが取り残されていく。
バディ「Aさんの中でやりたいこととかってあります?」
A「…特には」
バディ「うーん…そうですか」
勿論、私にだって夢はある。
東海オンエアをもっと大きくしていくこと、
チャンネル登録者数を伸ばしていくこと。
YouTuberとして当たり前かつ、ごく自然な目標。
でも、それだけではダメだということを周りの活躍で思い知らされる。
バディ「この先、何か目標をたててそこに向かって話を進めていかないことには視野は狭まるばかりだと思うんですよ、」
A「はい」
バディ「些細なことでもいいんです。」
A「…そうですね」
空返事をする私に、マネージャーさんの眉間にシワがよる。
バディ「事務所としても全力でサポートしていきますから」
A「…はい」
やる気がないわけじゃない。
だけど、
やりたいことは思いつかない。
バディ「例えば本を出版するのも1つの手ですからね、印税として…」
A「お金の話はいいです」
バディ「…そうですか」
出版社から話が来ていることは知っていた。
だけど、私はそれを断った。
私のような中身のない人間に、本なんて書けるわけがない。
143人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
77.0 - ほんとに素敵な表現力されてますね (2021年12月16日 1時) (レス) id: 5a0b14c285 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:チーズおかき | 作成日時:2021年2月22日 15時