喫煙室にて ページ18
りょう「近くない?」
見逃さなかったりょうくんが眉をひそめた。
てつや「いや、睫毛が…」
虫眼鏡「打ち合わせ中にイチャつくなよお前らー」
ブツブツと抗議するてつやの声を無視してマネージャーさんが話を進める。
バディ「ステージ上で簡易的にできる企画を行ってもらうことになりまして、」
としみつ「ネタださないかんやん」
バディ「いえ、過去の人気動画を抜粋したリストがこちらにありまして、この中からパロディ的な感じで…」
小難しい打ち合わせが終わり、私は建物内の喫煙所へ駆け込む。
この一服を失えば何を楽しみに生きろと言うのか。
口に広がる苦味を味わう私を追いかけるようにてつやが合流してきた。
てつや「昼飯どうする?」
カチリと音を立てたライターは、新しく買ったものだろうか。
もう火を貸す必要がないことに気付き、私は出しかけていたライターをポケットにしまい込む。
A「皆は?」
てつや「もう食いに行った」
喫煙組だけが残されたらしい。
気付けば私達2人になっていた煙草愛好家は、煙たい喫煙室で息を吐く。
A「私コンビニでいい」
てつや「そう?じゃあ俺も」
別に合わせなくていいのに、と喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ。
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77.0 - ほんとに素敵な表現力されてますね (2021年12月16日 1時) (レス) id: 5a0b14c285 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズおかき | 作成日時:2021年2月22日 15時