打ち合わせ業務 ページ17
1週間ぶりの都内。
バディ「おはようございまーす」
愛知東京間の移動にもすっかり慣れてしまった。
新幹線で過ごす時間も、意外と嫌いじゃなくなった。
A「おはようございます。」
バディ「じゃあ今から打ち合わせして、その後移動しまして、」
ハードなスケジュールを管理するマネージャーさんに言われるがままの私。
まだ朝早いからか、隣に座るしばゆーは心ここに在らずといった表情を浮かべている。
バディ「…聞いてます?」
しばゆー「聞いてません」
小さくため息をついたマネージャーさんに私は心の底から同情した。
りょう「衣装に決まりってありますか?」
バディ「その事なんですけど、一応テーマみたいなものがありまして…」
数ヵ月後に行われる都内でのイベントの打ち合わせ。
1時間程度のトークショーの為に、私達は何時間もの時間を費やす。
全ては来てくれる人の為に。
バディ「物販スペースも設置していただけるということでしたので、」
としみつ「新作出すんすか?」
バディ「いえ、既存のものを…」
話が段々入ってこなくなる。
集中力の欠片もない私に打ち合わせ業務は辛い。
ペットボトルの水を口に含んで、縁についてしまったリップを指でなぞる。
てつや「A」
A「ん?」
てつや「睫毛」
そう言われた瞬間、身構える前にてつやが私に顔を近付ける。
吸い込まれそうな色素の薄い目が、私の頬の辺りを捉えた。
指で優しく顔を撫でられ、私は思わず瞼を伏せる。
てつや「ん、取れた」
完全に油断していた私の心臓が脈打つ。
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77.0 - ほんとに素敵な表現力されてますね (2021年12月16日 1時) (レス) id: 5a0b14c285 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズおかき | 作成日時:2021年2月22日 15時