燻る煙で愛を語らう【東海オンエア】 (ページ11)

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直球な質問ページ11

母「初めまして、いつもお世話になっております…」

A「そういうの後にして」

母の言葉を遮り、私は数年越しの実家の玄関をくぐった。

この古びた日本家屋は祖父母が婚約時に建てたもの。

何か言おうとする母を無視して廊下を歩き、

居間のソファに腰をおろした。

深く沈んだソファは、あんなに綺麗だった深緑色がくすんでしまっている。

苦笑いをするてつやが遅れて居間に入って来た。

顎先で隣に座ることを指示する。

てつや「初めてじゃなくてお久しぶりなんですけど…」

いれたお茶を運ぶ母の眉間にはシワがよっている。

母「てつやくんでしょう？」

てつや「覚えて頂いて光栄です…」

母「…Aと仕事してるうちの1人、よね？」

てつや「はい…」

来る前まであんなに輝いていたてつやの顔が、

どんどん自信なさげになっていく。

私は肘置きに肘をついてこの不思議な光景を眺めるように見る。

母「お父さーん！もう来とるよー！？」

母の叫び声と共に父の焦ったような足音が聞こえてきた。

母「直球で申し訳ないけど」

てつや「…はい」

母「結婚は視野に入れてるの？」

その一言に私はため息をついた。

母「どうしてため息をつくの？大切なことでしょう」

A「別に」

母の小言が始まりそうな瞬間、父がひょっこりと現れた。