赤い人と私【レッド】 (ページ3)

今日:2 hit、昨日:15 hit、合計:64,605 hit

1日目ページ3

「…えっと…先輩、今何と言いましたか？」

別に聞こえなかった訳ではなく信じられなかった

「だからなぁ？ロケット団が壊滅したんだよ」
「いや、その後ですよ」
「あぁ、君に取材して来て欲しいんだ。ロケット団を壊滅させるほどの実力を持った
レッドって子をね」

二度聞いても疑いしか生まれない
怪訝な顔をしながらもう一つの疑問をぶつける

「…なぜ私に…？」
「んー特には理由はないかな？」
「ないんですか？！」
「まぁいいじゃない、そこにスクープが落ちてるんだからさ」

ニヤニヤと意地の悪い笑みをこちらに向けながら先輩は言う

「いいですけど…それで、そのレッドって子はどこにいるのか分かるんですか？行方不明だって聞きましたけど」
「それなら…ここにいるらしいよ」

そう言って先輩が指差した場所を見てみると

「ここって…シロガネヤマじゃないですか！！無理です、無理無理。私の実力じゃたどり着く前に死にます！！」
「なーに言ってんの。前にジム巡りしてバッジ8個持ってるんでしょ？十分いけるいける。さっそうと決まれば行った行ったー！」
「ちょ、先輩私はまだ行くとはー」

バタン

先輩に抗議の言葉を言い切る前にいつの間に支度していたのか、カバンと共に編集社を追い出されてしまった

「これは…行くしかないのか…」

茫然と閉じられた扉を見ながらそう零した