家庭教師はアイドルで…… 【ブラザースコンフリクト】 (ページ7)

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接触４ページ7

そんな想像をしていると朝倉君は、

「あ、もうこんな時間だから僕帰るね。川崎さんまた明日。バイバイ」

そう言い手を振りながら、図書館から出て行った。

普通ならここで、朝倉君が「家まで送るよ。」などと、声をかけてくれてそこから恋愛に発展するのが王道なのになー。

現実はそう甘くない。

朝倉君が帰ってから、私は本を何ページか読んで帰宅することにした。

「私も、そろそろ帰ろうかな」

そう思い、美由紀さんにあいさつに行く。

「美由紀さん、もう帰りますねー。」

そう言うと、美由紀さんが司書室から出てきてくれた。

「はーい。気をつけてね。」

その後美由紀さんは、はっとしたような表情を浮かべて

「そう言えば、亜希ちゃんが来る前に亜希ちゃんと同じ制服の男の子が入って来てたんだけど……驚いた？」

そう言い、イジワルな笑みを浮かべた。

「そりゃあ、驚きましたよー！ここにきて初めて私以外の本読んでる人見たんですよー」

そうなのだ。ここに毎日のように来るが、私はまだ自分以外(美由紀さんは除く)の人を見たことが無い。

美由紀さんはクスクスと口に手を当てて笑った。

こういう美由紀さんの女性らしい仕草、いつもうらやましいと思う。

私には、そんな仕草……似合わないから。

「ねぇ、あの男の子とは話したの？」

「ま、まぁ……。クラスメイトだったので」

「あら、そうなの？！」

今度は、私が美由紀さんをビックリさせてやったぞ。

私は心の中でそう思いガッツポーズをする。

そこから、美由紀さんに挨拶をし私は家路を急いだのだった。