家庭教師はアイドルで…… 【ブラザースコンフリクト】 (ページ14)

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朝日奈君４ページ14

「い、いや何でもない。」

誤魔化せたかな？

そう思い、朝日奈君の顔をチラリと横目で見る。

朝日奈君はまだ“腑に落ちない”という顔をしているが……

すると、

「朝日奈君、そろそろ用意した方が良いよ～。急がないと先生来ちゃうよ～？」

と言う、甘ったるい声が聞こえた。

その声は、朝日奈君に宛てられた物で(あぁ、この子朝日奈君の事が好きなんだなー。)とすぐに分かる。

声がした方を見てみると、クラス……、いや学校一カワイイとウワサされている荒木陽菜(あらきひな)ちゃんだった。

白い肌にツヤツヤな黒髪、大きな瞳が印象に残る。

まさに、映画のヒロインみたいだ。

朝日奈君も、まんざらでも無いのかな？

そう思い、もう一度朝日奈君の顔を見る。

朝日奈君の表情はいつもみたいに、嘘っぽい笑顔を浮かべていた。

「ありがとう、荒木さん。」

と、朝日奈君は荒木陽菜ちゃんにお礼を言って次に私を見た。

「川崎さん、明日オススメの映画教えるから。」

「え、明日？」

普通今日の昼休みとかじゃ？

そういう考えが頭をよぎったが、私は考えるのをやめた。

クラスで浮いている私と、人気者のアイドル。

そうだよね……、私と一緒にいるところを人に見られると恥ずかしいと感じるのが普通だよね。