絶対王者の片割れは。3【HQ】

No.98 ページ5

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練習試合を組んだ翌日。
事件は起きた。

及川が、足に包帯を巻いて部活に来たのだ。


及川「足挫いちゃって、全治2週間」

「「「…はぁああぁあ!?!?」」」

てへ、と笑う及川。
曰く、巫山戯て走っていたら転けてしまい、足を挫いたらしい。

全治2週間とか…練習試合ギリギリだろ。


花巻「アホなの?」

松川「はぁ…」

A「……(呆れ顔)」


あはは、と笑う及川の事を、静かに呼ぶ声が体育館に響いた。


岩泉「…おい、クソ川」

及川「なぁに、岩ちゃ……ん」

及川がにへらと笑いながら振り返る。

そこには、般若の顔をした岩泉。


その姿を目にした瞬間、及川はピシーーッと固まった。


岩泉「何してんだボケがぁぁ!!!」

及川「すいませんでしたーッ!!!」

反射的に土下座をする及川。


岩泉「練習試合間に合わなかったらどうするんだアホ!」

及川「おっしゃる通りです…」

岩泉に説教される及川の事を見つめる後輩たちの視線が凄く冷たい……


2人のやり取りを目にしながら、俺達ははぁ、とため息をついた。

花巻「やれやれですな」

松川「さすがに庇えない」

A「……ふざけてっていうのがアホだよね」

だな〜、と呑気に会話をする俺達を他所に、及川が岩泉に蹴られてぎゃふん、と言いながら床に倒れた。


後輩たちの視線が………氷の様に冷たい…


国見と金田一は見慣れた光景だからか、もうすでに準備を始めようとしていた。

それを見て、花巻が後輩たちに声をかける。

花巻「アイツらは置いといて先に準備終わらせよう」

「「…はい」

戸惑い気味に返事をして、後輩たちは早速準備に取り掛かった。

俺達も、準備をするために歩きだすと、花巻と松川が呟いた。


「「……岩泉は、及川係任命」」

A「……(コクッ」


その後、青葉城西高校バレー部では、本人達の知らない所で

"岩泉=及川係"

という謎の掟が出来ることとなった。



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