絶対王者の片割れは。3【HQ】

No.96 ページ3

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新1年生の実力を見るミニゲーム。

国見と金田一は同じチームで戦っていた。


国見「アウトッ」

__ピッ

判断力


金田一「ふっ(ドッ)」

攻撃力

桁違い。
さすが北一出身という感じだ。

実力も、行動力も、指示も。
洗礼されているのに加え、初合わせのチームでもしっかり力を出せてる。

まだ、不安定な部分はあるけど。


それでも、やっぱり強い


及川「…頼もしいでしょ、俺の後輩」

A「…うん」

試合を見ながら、及川と呟き合う。


松川「ん〜………」

試合が終わって、なにかを思ったのか松川が金田一の元へ向かった。

松川は金田一に向かって、ブロックのコツ的な事を教えているっぽい。


身振り手振りで教える松川に、金田一がうんうんと深く頷いて真剣に受け止めているのが分かる。

俺は、国見の元へ行った。

A「ねぇ」

国見「?…はい」

A「…的確、指示も判断も」

そう言うと、不思議そうにありがとうございますと言う国見。

A「でも、もっと出来る」


国見「!!」

A「我武者羅にとか、一生懸命とか、そういうのも大切だけど…俺はあんまりそういう風にはしない。

"セッター"の視線と行動

読むんだよ、全部。
冷静に、沈着に。

国見は…多分それ出来るでしょ」

俺の率直な気持ち。
国見は目を見開いて、そして静かに呟いた。

国見「…先輩、微かに俺と同類の匂いがします」


思わぬ反応に、俺は小さく吹き出して笑った。

A「どういう…」

国見「俺の嫌いな言葉1位は可哀想、2位は我武者羅です」


その言葉に、俺は小さく笑みを浮かべた。

A「……ほんとに俺と同じだ」


可哀想っていう言葉が嫌いなのも。
プレースタイルも、似てた。


でも、国見は俺とは違う。


俺は、ただ自分と向き合えなかっただけだから。



でも、「楽しみだ」

そう思わずにはいられなかった。


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