【刀剣乱舞】名もなき梅には鶯を (ページ9)

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日射が私の肌に突き刺さる。

風すらも苦しい。

「あづい……」

人の身は、不便だ。

「Aさん、大丈夫？」

縁側で倒れていると、乱藤四郎が顔を覗きこんできた。

「あぁ……何故主殿は、景趣を夏にするのだ」

本丸は統制されぬ神域。

それ故に、季節と言う物は存在せぬのだ。

「あー、あるじさん、四季を感じたいんだって！」

はい麦茶。

済まないな。

からん、と軽い音を立てる氷が涼し気だ。

「……はは、Aも暑さにやられたか」

着物の帯上を脱いでいると、鶯丸が笑っていた。

だが、何か様子がおかしい。

「鶯丸。何故、こちらを見ない？」

ニコニコと目を細めたまま、開けないのだ。

「あー……Aさん、暑いかもだけど上着て？」

「何故だ？」

「女の人だから！サラシ巻いててもだめ！

ちょっとは自重して！！」

それだから鶯丸さんも困っちゃうの！

乱藤四郎に言われては、ダメな気がしてくる。

「……ふむ。わ、わかった」

渋々着物を元に戻す。

皆のような軽装も所望したい所だな。