【刀剣乱舞】泰然自若にマイノリティ【ブラック本丸】 (ページ38)

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矢文ページ38

ぽろぽろと涙が落ちて、畳にしみをあしらっていく。

清光が、泣いていた。

「も〜泣かないでよ〜！あたしは酷い事しないから、ね？」

依然泣き続ける彼の頭を撫でる。

「俺っ、主の為に頑張るから……沖田くんの時みたいに、

折れたりしないからっ……！！」

「うんうん、あたしも折れたりするような場所には

連れてったりしないよ。安心して」

「、うん！」

やっと清光が笑顔になって、安定も安心した顔になる。

すると、

トンッ

心地よいほど軽い音がして、時が止まった気がした。

微かに開く襖。

座っていた兼さんが、徐に指差した。

「……主、壁に矢が」

「え、」

そう。

兼さんの言う通り、壁に矢が刺さっていた。

白い紙のようなものが巻かれている。

所謂矢文という奴だ。

「もしかして、薬研からの果たし状かな？」

そう思いながら、不思議と気楽に文を見る。

でも、

「…………！」

その楽観的な感情は泡の様に消えた。

「主？何て書いてあんだよ？」

兼さんの声にも上手く応答出来ない。

戸惑う。

怒る。

後者は滅多に膨れ上がらないものだけど、今日は違った。

理解したくない。けど直感でわかる。

これは真実だ。

その真実を、兼さんが声に出した。

「…………長谷部を、人質にとった？」