恥ずかしいけど ページ27
「え、兼さん……どうして!」
信じられない、とくにひろくんが叫ぶ。
「コイツは……コイツは、バカみてぇに優しいよ」
「どうしてわかってくれないの!そうやって信じても、
またどうせ裏切られるんだよ!!」
感情剥き出しのくにひろくん。
あくまで冷静を努める兼さん。
「俺にはわかる。コイツは裏切らねぇって。
さっき地下牢で、鍵開けたら殺されるぞっつったんだ。
なのにコイツ、開けやがったんだよ。待ってる人が……
国広、お前が居るからって」
……あのぉ。
そんな話されて、あたしが恥ずかしいだけじゃない!?
今思い返しても恥ずかしいよ!
長谷部が来なかったら死んでたよ!!
し、しかも優しいとか!照れるじゃん!!
「……それにな。コイツが来てから、地下牢の術が弱まった。
コイツは何にも知らねぇだろうが、コイツの気が、
おっそろしいほど澄んでるんだよ。こうやって触れてても解る。
国広が見せた記憶に震えてたのも純粋だからだろ。
こんな綺麗で優しい霊力のヤツが酷ぇ事出来るかよ」
さらりとあたしの髪を撫でる兼さん。
……あぁ、優しいな。
そう思いながら、あたしはそっと彼から離れた。
代わりに近づいたのは、くにひろくん。
「ねぇ」
「……何ですか」
まだ、警戒は解かれていない。
「ごめんね」
「……え?」
「あたし、分かってるつもりで分かってなかった。
だから、さっきの記憶は凄く恐かった。
けど、余計に断言出来る。あたしはあんなことしない。
言霊とか使わないし、あ、ああいう、その、うん……
よ、欲求を満たすような事しない!断言出来るよ!」
「!!」
あ、あー!!
恥ずかしいよあんなの見せられて!!
恋愛とか興味ないですからね!無縁だよ!
「……ふふっ。顔真っ赤」
「へっ」
見ると、くにひろくんは笑っていた。
「確かに貴女じゃ、心配は無さそうですね。主さん」
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星波@元烏丸(プロフ) - あゆみさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2017年10月7日 10時) (レス) id: 7ccdd29a58 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 続きめっっっっっちゃ気になります!!更新頑張って下さいm(__)m (2017年10月6日 22時) (携帯から) (レス) id: ee33ca8933 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:烏丸 | 作成日時:2017年4月3日 20時