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王者と日常【牛島】 ページ6

ひんやりとした空気。

今日も快晴。

「A先輩、おはようございます!」

「おはよー工」

私たちの1日は朝練から始まる。

「おはよう、A」

「おっす」

「おはよ獅音、英太」

部員に挨拶して、もう誰もいない部室へ向かう。

着替えは素早く。

絶対王者の座を守るべく、私は5分と掛からず着替える。

白鳥沢に入学を決めたのは、小6の冬だった。

つまり中等部からの持ち上がり。

コンコン。

「A先輩、入っても大丈夫ですか」

賢二郎の声が扉越しに聴こえる。

「うん、もう出るから大丈夫」

ジャージの前はあけたまま、サイドの髪が垂れて来るのを防ぐ為にシュシュで軽く縛る。

「お疲れ様です」

「ん、おつかれー」

賢二郎が入ってくる。ジャージって事は忘れ物かな。

入れ違って、そのまま体育館裏へ。

ドリンクの準備。

するとそこへ。

「A、初めても良いか」

私たちが誇るエース。

「あ、おはよう若利。いいよいいよ始めてて。すぐいくから」

「わかった」

軽く返事して、さっさと体育館へ帰す。

「あまり急がなくていいぞ」

ぽんっと、若利は私の頭に軽く手を置いていった。

「……なんなの、あの天然は」

さりげなくああいうことしてくるから、ホンット心臓に悪い。



「Aチャーン!昼飯食べにいこーヨ☆」

4限が終了した。

覚は同じクラスだから、いつもこう誘われる。

「ね、Aちゃんは天童君と付き合ってるの?牛島君は??」

たまに女子に、期待された様な目で見られる。

でも、その期待を裏切るのが私の役目。

「覚とは付き合ってない。私の彼氏は若利だから。お昼も若利一緒にいるし」

若利目当てなのはすぐにわかる。

だからこそ、厳しく牽制する。

だって……



「若利っ!」

食堂で駆け寄ると、若利は薄く笑う。

他の誰にも見えないようにかがんでから、顔の近くで。

この顔が、大好き。

「若利は何食べるの?」

「ハヤシライス」

「いつもそれじゃん」

「好きだからな」

何てことだ。せめてサラダ付けようよバランスよくないよ。

そんな事を思いながら、私はボロネーゼを頼む。

「Aもいつもそれだろう」

「私はサラダ食べるから良いんですー」

不毛な話をしながら、若利の隣を歩く。

こんな不毛な日常が幸せなんです。

ストレートに、アタック【岩泉】→←感謝が言えるのは【二口】 二口side



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ちくわ太郎(プロフ) - 一つ一つの話が最高過ぎる (3月23日 2時) (レス) @page22 id: a648931a76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:烏丸 | 作成日時:2016年11月13日 14時

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