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厳しい、優しい【澤村】 ページ3

「きゃあぁあああ大地っ、助けてぇええええええっ!!」

思いっきり大声で叫ぶのは、私。

「どうした!?」

音速でやって来てくれるのは、幼馴染の大地。

「ヤツ、ヤツがぁあああっ!!」

「……何だ」

ヤツと言うのは、察してね。名前を出すのもはばかられるあの黒いヤツよ。

ソイツが、倉庫に出たのである。

「大地、俺先生にジェット借りて来るよ」

「いやいい」

スガの申し出を断り、大地は……

グシャッ

「ひぃっ!!?」

ヤツを、持っていたドリンクのボトルの底で潰しました主将ェ……

「だだだだだいちぃ……な、なんて恐ろしい事をなさっておられるんでございますかぃ……?」

「A、どうした」

涼しい顔の大地。恐ろしいわ。

「A、ボトル洗ってきてくれ」

「うぇ!?」

「お前が休憩中によんだからだろ」

うう。

厳しいよ主将。

そう。

大地は、マネージャーでも私だけにはいやに厳しい。

なによう、幼馴染だからって酷いでしょう。

なんてスガや旭に愚痴ると、

「いや、大地はAに充分甘いべ」

「うん……俺もそう思うよ……」

私に味方なし。孤立無援とはこのことか。

大人しくボトルを洗う。

「う〜……」

私が嫌がったとはいえ、死なしてしまったのは申し訳ない。

しかもこんな惨い死を与えてしまうだなんて。

「「Aさぁあああんっ!それ、俺がやっときましょうか!?」」

田中と西谷がすっ飛んでくる。

「う、ううんいい。ありがとね」

此奴ら、煩いけど良い奴なのよね。

「はぁうっ……!!」

「美しい笑顔と感謝の言葉、頂きましたっ!」

きよちゃんにじゃあるまいし、何言ってんだかねえ。



「大地、帰ろう!」

「おう」

今日は珍しく二人で帰る事に。

何かラッキー。

「もうすぐだねえ、春高」

「そうだな」

「キンチョーする?」

「まあな。最後の大会だし」

他愛もない話をして、冷えた空気の中を歩く。

ヒュ、と風が吹いた。

「……さむっ」

はー、と手に息を吹きかける。

水仕事は今日、全部引き受けちゃったからなぁ。

「……ん」

「ん?」

スッと手を差し出してきた大地。

どうしたんだろ。

「ほら、手。寒いんだろ」

「……ありがと」

そっと距離が近くなった。

「大地、好きだよ」

「〜〜〜〜っおま、何で今、」

「今言いたくなった。嫌なら手ぇ離して」

「…………」

ぎゅ。強くなる。

「離さないからな、一生」

厳しい幼馴染。

優しい彼氏。







やだもうぐだぐだ。

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ちくわ太郎(プロフ) - 一つ一つの話が最高過ぎる (3月23日 2時) (レス) @page22 id: a648931a76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:烏丸 | 作成日時:2016年11月13日 14時

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