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それから。

私は大学4年になった。

来年からは京都で就職することになっている。

初めての県外。もう既に不安だけど、

……近くには、翔陽がいるもんね。

そして今日は、その翔陽の晴れ舞台。

「おれの弟が、日向くんと影山くんの同級生なんだ」

「アタシの弟は翔陽たちの1個先輩だったのよ!」

という、男女2人組に会った。

「あ、わ、私、高校は別だったんですけど、

 その、翔陽の幼馴染で……!翔陽がお世話になってます!」

頭を下げると、お姉さん……冴子さんは豪快に笑う。

「へぇ!翔陽の幼馴染ねー!……ほんとにそれだけ?」

でも次の瞬間には鋭い目付きをしていた。

「えっと……一応、か、彼女……だと、思います……」

「やっぱりね」

何がやっぱりなんだろう。わかりやすいのかな私。

週刊誌とかに抜かれないようにしないと……!!



試合はとてもすごくて、すごいしかいえなかった。

翔陽はほんとにかっこよくなってた。

私の彼氏です!!って自慢したくなっちゃった。

その試合の後、翔陽はキョロキョロと誰かを探していた。

高校時代のお友達とかかな?なんて呑気に見ていると。

「あ!いた!!」

「ふぇっ!?」

オレンジ色が私を捉えた。

「A!あれっ、冴子姐さんと月島のお兄さんも!?」

ずんずんと客席の高いところまで上ってくる。

え、こっち来てる!?

混乱する私をよそに、翔陽は私の前に立った。

汗がライトを反射して、きらきらと輝いている。

「A!待たせてごめん……いや、違うな、

 ずっと待っててくれて、ありがとうございます!!」

「え、いえ……とんでもないです……」

混乱する私の前に、翔陽は何かを差し出す。

それはいつもの缶ジュース……じゃない。

ベルベットの、手のひらサイズの箱。

「……え」

その中には、きらきらと輝く宝石の指輪。

それに負けない、翔陽の笑顔。

「Aさん。おれと、結婚してください!!」

キャアアアアア!!場内が悲鳴と歓声に包まれる。

……うそ。聞いてない。

「聞いてないよぉ……」

「サプライズ!成功した?」

成功したってもんじゃない。

ずっと先だと思ってた。いや、来ないかも、なんて。

そんなの杞憂だった。

週刊誌だって追いつけないスピードだ。

……もう、待つ必要なんてない。

がんばるね、翔陽。

「……はい……っ!」

がんばって、きみについていくよ。

運の尽き【天童】→←諦められない【日向】



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ちくわ太郎(プロフ) - 一つ一つの話が最高過ぎる (3月23日 2時) (レス) @page22 id: a648931a76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:烏丸 | 作成日時:2016年11月13日 14時

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