たとえ罪に呑まれても２ (ページ2)

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バーに入ったら関西弁の男の子がいらっしゃいって笑顔で迎えてくれた。

私達はそのままカウンターに座ろうとした。

「あ…」

何処かで見た事ある後ろ姿。
最後に会ったのは同窓会だっけ？
高校生の頃よくふざけあったっけ、

「あれ…？翔太？」

私が心当たりのある名前を口にしたら
二人の男の人が振り返った。

まさか、アナタも居るだなんて。
気が付かなかった。
大人っぽくなったね。
あの頃のあどけなさなんて無くて大人の男になってた。

再会…正直、したくなかった。

今まで考えないようにしていた。
あの頃、彼に惹かれていたのは確かで。
だけれど…彼の気持ちに応えてしまったら…
手に入れてしまったら…
怖かった。

欲張りになってしまう自分が。

「照くんは元気だった？」
「それなりに」
「そっか、すっかり大人の男だね」
「まぁ26だからね」

だから、演じるの。
自分を殺して。余裕なフリをして。

久しぶりに見た彼はスーツを着ていた。
制服姿だった彼とは想像つかないほどかっこよくて目が眩んだ。

彼女はいるの？もしかして結婚しちゃった？
チラリと左手の薬指を見ちゃった。
してないし跡も無かった。
安心した自分に嫌気が差したよ。

貴方の名前を口にしたら。
胸の奥がザワってした。
また、名前を呼べる事に。

ふと、自分の薬指が目に入って。
鎖のようなソレは私の決めた道だ。

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