たとえ罪に呑まれても (ページ21)

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episode05 ページ21

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車に乗りながらふっかの店へと向かう。
赤信号で止まった。
何気なしにボーっと青信号で渡る歩行者を見てた。
本当に何の意識も無くて、

だけど、ふと目に入ったカップル。

カップルになのかは分からないし俺の勝手な解釈かもしれない。
けれど、手を繋いで歩いてたら誰だってカップルって思うだろ？
しかも、その女の方を知っていれば尚更。

Aだったから。
爽やかそうで大人な男と手を繋いで。
浮気なんかしなさそうな男と笑いあってた。

聞こえたクラクションで慌てて車を発進させる。

一気に地獄に連れてこられた気分だ。
お前は天国なんかへ行くなって。閻魔様が俺に告げてる。

「はい、コレ」
「あーそこ置いといて」
「じゃあ、帰るわ」

「帰んの？」

ふっかの店は開店前で準備をするふっかの背中に言葉を投げつけた。

「今、酒呑んだら悪酔いする」

あんなの見て普通で居られるか。
分かってたんだよ。その場所は俺の場所じゃないって。
だけど、ココ最近忘れてた。

「なんかあったか？」
「別に」
「まぁ、とりあえず飯食ってくか？」

黙って、スツールに腰をかける。
飯で釣られる俺は子供か。

「落ち込んでる照にはい」

ふっかが出したのはオムライス。
何故かケチャップがハートになって汚ねぇ字でひかるって書いてある。

「んだこれ」
「俺の愛」

俺は鼻で笑ってスプーンを入れた。

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