たとえ罪に呑まれても (ページ3)

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次の日が休みって事もあってなのか
店が忙しそうになって結局ふっかもカウンターの中で忙しそうにしてる。

「なぁ、照」
「ん？」
「お前さ、モテんのになんで女作んねぇの？」

俺と翔太はカウンターに座って静かに呑んでいた。

「いや、いらないから」
「はぁ？26の男のセリフとは思えねぇな！」
「翔太と一緒にすんな」
「おれは要らなくて作らないんじゃないの
選べないだけ。」

「聞いた俺が馬鹿だった」

別に俺だって26になれば彼女くらい欲しいとは思う。
人並みに付き合ってきた。
けれどどれも長くは続かなかった。
そんなの理由なんてハッキリ分かってる。

本気になれないから。

「あれ…？翔太？」

俺らの背中から女の声が聞こえて。
オイオイ、翔太のどこの何番目の女だよって思って振り返った。

小説みたいな言葉を選ぶなら
時が止まったと思った。ってゆーかマジで固まった。

「あっれー？Aじゃん！久々！」

翔太はそんな俺に気付いてないのか馬鹿みたいにテンションを上げてその女に笑いかける。

「照くんも…久しぶりだね。」
「あ、うん」

馬鹿みたいなのは俺の方か。
まさか覚えられてるだなんて思わなくて。

俺は、アンタを忘れた事ねぇけど。

そう心の中で零した。

「皆、かっこよくなったね。」

何も変わってなんかない。

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