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「あの柚姫を取り入れただって？夜々たちは失敗したのか」
「あの子の瞳は赤色だ。土御門の術式を受け継いでいる可能性は高い。こっちで引き受ける」
「姉の方はどうするんだ。一緒には暮らせないだろう」
「五条家の若いのがいただろう。あれが今、柚姫を制御できているのか調べている。結果次第だ」
妹はどうやらあの青色の瞳のお兄さんと一緒にいるらしい。
柚姫とやらの制御ができていたらこの家に引き取られる。
できなかったら、妹は殺されるらしい。
妹だけが危険な状況にいる。
みんなの瞳は汚かった。
妹を物としか見ていない。
使えるか、使えないか。
それだけしか考えていない。
でも、それは妹だけじゃなかった。
私は初めから、使えない人間として見られていた。
家族に褒められた式神たちは、偽物だと言われた。
本物は、妹が持っていると言われた。
結果から言うと、妹は柚姫を制御できるどころか、能力の欠片も出せなかった。
術式も出せず、分かる人には柚姫の呪力を感じるだけだったらしい。
妹は、私がいた親戚の家に引き取られることになった。
青色の瞳のお兄さんも引き取ろうとしたけど、ダメだったみたい。
親戚の方が妹も安心する、とかナントカ言って。
今まで、会ったこともない親戚の人が言う。
妹がここに来るということは、私はここにはいられない。
一緒には住めないらしいから。
家の中で人がドタバタと、私の引き取り先を探している。
後で私は、青色の瞳のお兄さんの優しい嘘を知った。
本当は、妹も術式が使えたらしい。
それはまだ小さな狐だったけれど、他にもいっぱいあると思う、と教えてくれた。
術式が使えたら、悪用する人たちがいるから。
柚姫が使える可能性があると知ると、殺されてしまうから。
お兄さんは小さな嘘をついた。
私に内緒だと言った。
それから数週間、私の引き取り先が決まった。
今とは離れた、遠い田舎のお家。
遠い遠い親戚の人で、お兄さんは「優しい人だから多分大丈夫」と言った。
そして、お兄さんと小鳥遊家の接触禁止命令が出た。
妹はお母さんの家系にいる、特別な術式を持つ人のところに連れて行かれた。
記憶を操作する術式。
そこで妹は、私たちと過ごした日々の記憶に蓋をされた。
妹の中にある呪力を感じる全ての物にも蓋をされた。
妹は私の知らない妹になった。
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kyon(プロフ) - きゃるさん» コメントありがとうございます。こちらこそ、出会ってくれてありがとうございます！！もったいないお言葉です。これからも頑張ります！ (3月8日 11時) (
レス) id: c6557ad466 (このIDを非表示/違反報告)
きゃる(プロフ) - すごい作品に出会えたなと思います。素敵な作品をありがとうございます！！大好きです。これからも陰ながら応援しています！ (2月22日 23時) (レス) @page23 id: fa1bdc5357 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kyon | 作成日時：2023年12月29日 21時
