閑話 ページ7
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「行ってきなよ」
「……どこに?」
「昔に戻りに。あの日の君が待ってる」
「なんですか、それ」
意味のわからない言葉に笑っていられる未来があったら。
先生の左手が差し出される。
その手を握ればどこにでも行ける気がして。
ずっと先生の後についていける気がして。
そんな未来、ないはずなのに。
あの日に置いてきたはずなのに。
タラレバの話。
あの日、先生について行っていたら。
もしも、呪術がない世界なら。
その手を握っていた未来もあったかもしれませんね。
「じゃあ、僕は先に行くから」
「どこに?」
「またね、A」
この身にのしかかる過去も、今も、未来も。
全部、なかったことにできたら。
先に進む先生を引き止めることができたかもしれない。
もうずっと、タラレバの話。
「私、先生のこと____」
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「……い、おい、A!」
目を覚ますと、そこはいつもと変わらない部屋で。
左に視線を向けると、新年を迎えるためのお鍋がぐつぐつと煮込まれている。
私の肩を揺さぶっていた真希がため息をついて、「何寝てんだよ」と言葉を漏らす。
他のみんなはもう机を囲んでいる。
そうか、準備の途中で寝てしまったんだ。
「夢でも見てたの?」
「五条先生……まぁ、そんなとこです」
ソファーの空いた右に先生が座る。
夢、なのかな。
遠い何かだった。
それが夢か未来かはわからない。
けど、多分……
「ずっと、みんなでいられるといいですね」
そう願わずにはいられない、何かだった。
どうか、みんなが幸せでありますように。
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2023年、ありがとうございました。
いろいろとありましたが(本当にいろいろと……)
これからも、なんとか強く生きましょう。
2024年もよろしくお願いします。
どうか、みんなが幸せでいられますように。
2023年12月31日.
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kyon(プロフ) - きゃるさん» コメントありがとうございます。こちらこそ、出会ってくれてありがとうございます!!もったいないお言葉です。これからも頑張ります! (3月8日 11時) (レス) id: c6557ad466 (このIDを非表示/違反報告)
きゃる(プロフ) - すごい作品に出会えたなと思います。素敵な作品をありがとうございます!!大好きです。これからも陰ながら応援しています! (2月22日 23時) (レス) @page23 id: fa1bdc5357 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kyon | 作成日時:2023年12月29日 21時