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「そろそろお前たちも戻った方が良さそうだな」
「最後にひとつ、聞いてもいい？」
「別に最後ではないがな。なんだ」
柚姫と視界を共有しているときに見たもの、聞いたもの。
それは私の記憶にも刻まれている。
芹菜と最後の会話。
柚姫は言った。
「私でなくちゃ、1000年前の区切りがつけられないのはどうして？柚姫はどうして、呪いになってしまったの？」
柚姫に問いかけたはずの質問。
私の言葉に、先生の瞳が一瞬揺れたことを見逃さなかった。
やっぱり、何か知っている。
柚姫はどう返してくるのだろうか。
「詳しいことは本当の最後に話したいがな。Aの身体に入ることにしたのは、ちゃんとした理由がある」
「それは、Aが特別だからだ」
特別。
最近、よくその言葉を耳にする。
特別だなんて、そんなのただの評価だ。
柚姫から見た評価であって、私からしたら全く特別ではないし、中々に理解ができない。
私の気持ちを察したのか、柚姫は補足していく。
「赤い瞳を持つ土御門家の人間である必要があった」
「1000年の間、赤い瞳を持つ者は生まれなかった。やっと生まれたのが、Aだったわけさ」
「赤い瞳を持つ者はその血に通う全ての術式を受け継いでいる。それは、誰が何と言おうと特別なんだよ」
みんなが私を特別と言う。
それは私自身の力と言うよりは、この瞳の力。
この瞳が、私が特別である理由。
特別になりたかったわけじゃない。
ただ、生きていたかった。
先生の後を追いかけたかった。
家族との約束、愛との約束を守りたかった。
もしそれが、この"特別"に責任を持つことだとしたら。
私が特別であることで、何かを救えるのなら。
「……わかったよ。柚姫の解呪はしっかりする」
「あぁ。お前がそう言ってくれると助かるよ」
「この瞳の責任は持つよ。私の意思じゃなくても、この世に
柚姫を解呪。
そして、全ての術式を取り戻す。
それが、私の使命であり、この瞳を持つ責任である。
「その瞳を持ったのがお前で良かった」
「後は頼んだぞ、五条、A」
また、明るい光に包まれる。
元の世界に戻ったら、柚姫に私の身体は返してもらって、五条先生と二人きりだ。
きっと、乙骨くんたちのところに駆け付けるんだろうけど、その間、どんな顔をして話せばいいのだろう。
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kyon(プロフ) - きゃるさん» コメントありがとうございます。こちらこそ、出会ってくれてありがとうございます！！もったいないお言葉です。これからも頑張ります！ (3月8日 11時) (
レス) id: c6557ad466 (このIDを非表示/違反報告)
きゃる(プロフ) - すごい作品に出会えたなと思います。素敵な作品をありがとうございます！！大好きです。これからも陰ながら応援しています！ (2月22日 23時) (レス) @page23 id: fa1bdc5357 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kyon | 作成日時：2023年12月29日 21時
