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「五条、加茂にはいつ会う予定だ」
「……1月5日に予定してある。その日しか無理だ」
「構わん。加茂から返して貰う物があるだろうから、五条、案内してやれよ」
夢の話だ。
幼い頃に加茂さんに会ったような口ぶりだった。
まだ不明瞭な過去を知るうちの1人である。
怖くないわけがない。
不安で、ずっと心は揺れている。
「手順通り進めば大丈夫じゃ。Aならできる」
「何をやったらいいの」
「我の解呪じゃ。多少の困難はあるだろうが、我のためにもやってくれ」
柚姫の解呪。
いずれかはやらなければいけないことだった。
ずっと柚姫を持って、入れ替わっているのもリスクがある。
それは、わかっていたけれど。
いざ言われると、覚悟が足らない。
柚姫がいないと、力だって半分以下になってしまう。
柚姫の術式を先程見たと言っても、柚姫のようには扱えない。
戦闘の幅が大きく変わる。
「心配するな。それまでに残せるものは残していくつもりじゃ。これから鍛錬も積むだろうし、五条もいる」
「っでも、」
「約束しただろう。何があっても、お前はお前のことを信じろと」
圧倒的な柚姫の力だった。
私では扱いきれない。
それでもこれから先、柚姫の術式を使うときに求められるのは、あれと同等かそれ以上のパフォーマンス。
この決断の遅れが、私の弱さだ。
「五条、解呪後のことは頼んだぞ」
「言われなくてもやるつもりだ」
「……まぁ、1番恐れているのはお前かもしれんな」
全てを知っていそうな2人の間に流れるのは、緊迫という言葉が合いそうな空気だ。
現代最強の術式と、最凶の夜叉だからこその空気感なのか。
それとも、本当に彼らは全てを知っているのか。
様々な感情が入り交じる私に、その間に入る度胸はない。
先生は私の何なのか。
あの日の質問に先生は答える気はなさそうだったし。
何もないわけがないのは確かだ。
教師だからとか、最強だからとか、そう言った理由ではない何かがある。
例えばそれが、もっと記憶の奥深い部分で繋がっているとしたら。
その答えは、私が1番聞きたくないかもしれない。
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kyon(プロフ) - きゃるさん» コメントありがとうございます。こちらこそ、出会ってくれてありがとうございます！！もったいないお言葉です。これからも頑張ります！ (3月8日 11時) (
レス) id: c6557ad466 (このIDを非表示/違反報告)
きゃる(プロフ) - すごい作品に出会えたなと思います。素敵な作品をありがとうございます！！大好きです。これからも陰ながら応援しています！ (2月22日 23時) (レス) @page23 id: fa1bdc5357 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kyon | 作成日時：2023年12月29日 21時
