開戦 ページ1
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初手。
左足を軸に地面を蹴り、距離を詰める。
芹菜が式神を出すよりも先に、芹菜の元へ行く。
調査で分かった、芹菜が式神を出す際の印。
右手の手の甲に印が浮かび上がる。
それが完全に浮かぶよりも先に、斬る。
流れるように上へと行き、勢いを落とさぬように跳躍する。
腰に装備してあった短刀を引き抜く。
芹菜の頭上。
右の瞳が飛び上がる私を捕らえている。
いける。
斬れる。
振り上げた短刀に呪力を込める。
強化された呪力量。
あの時とは、もう違う。
呪力の籠った短刀を全力で叩き落とす。
その頭上に突き刺さる。
はずだった。
芹菜の姿はいつの間にか見えなくなっていて、代わりにあの日見た虎がいた。
動揺はした。
でも、怯む時間はない。
そのまま、まっすぐに振り下ろすと、虎へと短刀が突き刺さった。
速かった。
あの日戦った虎は速かった。
あの日は私が苦戦した。
けれど、今日は私が速い。
虎が逃げる暇も、攻撃を仕掛ける暇もないほどに速く、虎を斬っていく。
芹菜へは届かなかった。
さすがに式神を出されるのは早かったけど、スピードは負けていない。
呪力を込める。
突き刺さった短刀はそのまま虎の体を裂き、2つへと分裂された。
そのまま、消えていく。
「……1匹、式神がいなくなっちゃった」
「自分が身代わりにしたんでしょ」
芹菜は消せなかった。
式神使いを1番にやりたかったのに。
そりゃあ、生業を簡単に潰させてはくれない。
でも、いける。
今の速さなら、あのとき歯が立たなかった芹菜と式神に十分戦える。
虎を消滅させることができたのも大きい。
息を整える。
まだ日は落ちていない。
少し肌寒いと感じていた風も、今は暑いくらいだ。
短刀を構える。
今度こそ、討つ。
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kyon(プロフ) - きゃるさん» コメントありがとうございます。こちらこそ、出会ってくれてありがとうございます！！もったいないお言葉です。これからも頑張ります！ (3月8日 11時) (
レス) id: c6557ad466 (このIDを非表示/違反報告)
きゃる(プロフ) - すごい作品に出会えたなと思います。素敵な作品をありがとうございます！！大好きです。これからも陰ながら応援しています！ (2月22日 23時) (レス) @page23 id: fa1bdc5357 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kyon | 作成日時：2023年12月29日 21時
