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土御門家。
平安時代に活躍した最強呪術師の直系子孫である。
呪術を知っている人なら、名は聞いたことがある家だ。
そう、"名"だけ。
どういうわけか、土御門家は表に出てこない。
呪術界での集まりにたまに出席する程度で、その家が持つ術式は誰も知らない。
莫大な資金を呪術界に送り込んでいるだけで、家の内部を明かすことはない。
古い文書に残されている土御門家の情報と、会での情報だけが頼りだった。
五条先生がいろいろ手配してくれた。
そこで、分かったこと。
21年前に土御門家を出ていった女性がいたこと。
その女性が土御門家の中でも最大の呪力を持っていたこと。
神社に入り、結界を築いたこと。
その女性の名は"夜々"ということ。
そして、その女性が私の母親であること。
「何か提案されても保留にして帰ってくること、危ないことはしないこと、危険だと思ったらすぐに去ること、五条先生からの伝言です」
「わかりました。ありがとうございます」
私だけが土御門家に入ることを許された。
招待状が届いたときにはもちろん警戒したし、高専の先生たちとも相談した。
しかし、これをチャンスだと捉えたくて。
みんな知りたがっている土御門家の情報を知ることも
私の過去へと繋がる情報を知ることも
チャンスだと思いたかった。
伊地知さんに礼を告げ、車を降りる。
目の前には大きな門。
御屋敷、という言葉がぴったり当てはまるみたいに。
厳かな雰囲気が漂うそれは、かつての私の家とはまた違う。
これは戦場だ。
戦へ行く。
それとほぼ同意義だ。
土御門家の人間と私以外の立ち入りを禁止している領地。
私にとっては未知の領域なのに、ここの人たちには受け入れられている。
門の前に立つと、まだ何もしていないのに、勝手に開く。
古びたような音は一切鳴らないで、静かに、ゆっくりと。
大きく深呼吸をして、その地に、足を踏み入れる。
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kyon(プロフ) - r_inaaa6さん» コメントありがとうございます！そのようなお言葉をいただいて、とても嬉しいです！！ご期待に応えられるよう、これからも頑張りますので、ぜひ応援お願いいたします！ (11月25日 0時) (
レス) @page22 id: c6557ad466 (このIDを非表示/違反報告)
r_inaaa6(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます！今後も更新楽しみにしてます！頑張ってください^^ (11月23日 14時) (レス) @page20 id: ee744ba5ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kyon | 作成日時：2021年3月6日 23時
