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3時間くらい。
途中で休憩も入れながら、私は火力の底上げに全力を費やした。
許容量はとっくの昔に超えていて、手のひらがヒリヒリと痛む。
周りからも段々と限界を迎えたような声が聞こえてきて、訓練の過酷さを物語っている。
けれど、それを聞いて私は私を鼓舞する。
きっと、みんなも同じだ。
みんな頑張っているのだから、私もやらないと。
水分補給を終えて、また立ち上がる。
手のひらを構えて、一点に炎を出し始めたとき、相澤先生がやって来た。
「休憩はとっているようだな。お前はそういうところはしっかりしているから、助かる」
「しかし、炎の使い方が大雑把すぎる。火力の底上げは無心で炎を出すことじゃない」
「何の為にお前の繊細さがあるんだ。考えろ、もっと繊細に。お前の良さを活かして、火力を上げるんだ」
相澤先生からのアドバイスを受ける。
私の繊細さを活かす。
ただ無心で炎を出すだけじゃない。
何事にも頭を働かせろ。
もっと器用に。
個性の全部を使いながら。
熱い血を身体中を循環させる。
もっと早く、熱く。
身体が熱い。
手から溢れる炎が強くて、熱い。
思い出すのは、あの日のこと。
私の人生が変わった日。
炎が溢れ出る。お母さんの瞳にも私の瞳にも、炎しか写っていない。
お母さんを傷付けた。
かっちゃんとデクくんの心を傷付けた。
一度は恨んだ、この個性。
けど、あの日とは違う。
誰かを傷付ける炎じゃない。
誰かを救ける炎だから。
更に個性を、伸ばす。
いつか夢見た世界を叶えるために。
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続く
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kyon(プロフ) - はさん» コメントありがとうございます！わあぁぁ、ありがとうございます！面白いだなんてそんな、勿体ない言葉です…！もっと良いものが提供できるように頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。 (2021年10月27日 20時) (
レス) id: 91f42d209d (このIDを非表示/違反報告)
は - すごい面白くて、一気に読みました！更新楽しみにしてます (2021年10月24日 0時) (レス) @page5 id: 1fbe025c86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kyon | 作成日時：2021年9月19日 17時
