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結局、洸汰くんに追い出されることになったデクくん。
そりゃ、いきなり受け入れることはできないか。
ましてや小さい子どもが、両親を失った悲しみをいきなりなくすことなんてできない。
洸汰くんのためにできること、か。
私は何も、思い付かないな。
「Aちゃん…？こんなところで何してるの」
「あ、デクくん。ごめん、着いてきちゃった」
「そっか。さっきの話は…」
「聞いてましたね」
デクくんがこちらに向かっていることをすっかり忘れていた。
岩の影に隠れていたけれど、見事に見つかった私は、帰路をデクくんと共にする。
話の内容は、洸汰くんのこと一択である。
「すごいね、デクくんは。私はあんな風に言えないや」
「ごめんね、Aちゃんのこと勝手に言っちゃった」
「大丈夫だよ。事実だし…」
「Aちゃんなら、洸汰くんになんて声かける？」
突然の問いに思わずデクくんを見る。
こういう、人を慰めるとか、人に役に立つ言葉を言うとか、そういうのが苦手なのはデクくんが1番知っているはずなのに。
それに、自分と境遇が少しだけ似ている洸汰くんにだなんて、私は……
「私は、何の言葉もかけてあげられないと思う」
「その人がどういう性格で、どういう人生を送ってきたのか。断片的なことしか知らないのに、その人の辛い問題には突っ込めない」
「それをやってのけるが、デクくんのすごいところだよ」
雄英に来て、全員がただ"ヒーローになりたい"という純粋な気持ちじゃないことを知った。
それぞれに理由があって、物語がある。
体育祭の時は少し気が動転していて、いつもは言わないことも言ってしまったけど。
度重なる価値観の相違に、上手く身動きが取れなくなっているのは確かだ。
「難しいことばかりだね」
「多種多様な考え方がありすぎるのは、時に役に立つし、時に辛くなる」
それからの帰路は5分ほどだったが、私たちの間に会話が生まれることはなかった。
妙に長い時間に感じられて、私の無力さと頼りなさが浮き彫りになった瞬間だと思った。
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- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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西 - この方角に福があるはずです
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kyon(プロフ) - はさん» コメントありがとうございます！わあぁぁ、ありがとうございます！面白いだなんてそんな、勿体ない言葉です…！もっと良いものが提供できるように頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。 (2021年10月27日 20時) (
レス) id: 91f42d209d (このIDを非表示/違反報告)
は - すごい面白くて、一気に読みました！更新楽しみにしてます (2021年10月24日 0時) (レス) @page5 id: 1fbe025c86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kyon | 作成日時：2021年9月19日 17時
