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「倒しても倒しても湧いてくる…！」
息を切らしながら、目の前の"敵"を見る。
何回倒しても湧いてくるのは、そういう訓練だから仕方がない。
個性強化訓練。
それぞれの個性に見合った訓練を今、実践しているところだ。
許容条件のある発動型は上限の底上げ、異形型その他複合型は、個性に由来する器官、部位の更なる鍛錬。
例えば、上鳴くんはひたすらに電気を流し続けるし、蛙吹さんは舌を使っての崖登り。
八百万さんと砂糖くんは、ひたすらに食べてひたすらに作る。
私も、炎をひたすらに出し続けるか、雪を扱うのかと思っていた。
「西森は、昨日の魔獣の森をもう一度抜けろ」
「…え？」
「炎を使っての浮遊を無意識でやる事、炎をあらゆる形に変形させ、より効率的に敵を倒すことを強化する」
強化訓練内容を聞いた時は白目剥いた。
昨日の魔獣の森は、クラスで協力してやっとゴールできた。
それを1人でやらなきゃいけないのか。
もちろん、みんなで食事タイムに1人だけ帰ってきてません！なんてことはあってはいけないので、規模は縮小する。
ピクシーボブが個性で様々な形の土魔獣を用意している。
その魔獣を全部倒せたら、今日の強化訓練は終了。
土魔獣は昨日1度相手にしているから、戦い方についてはそこまで困らないだろうと思っていた。
しかし、そんな甘い考え、雄英には通用しなかったのだ。
違う形態、違う特徴を持った土魔獣が次から次へと出てくる。
「ああ、もう！！」
「しばらくあんたの顔は見たくないよ…」
私の言葉なんて聞こえないのに、話しかけてしまうほどには土魔獣を見た。
前に火矢を飛ばして、左右後に火球を飛ばす。
私が今出せる最高火力を出し続けることで、許容範囲を広げようってわけだ。
そして、その間も炎で浮いている。
無意識でやるには、とにかく数を重ねることが大切だと思ったから。
炎を押し上げて上へ行く。
空に土魔獣の気配があった。上から落ちてこられたら、土埃が舞ってしまう。
戦闘において、視界が遮られるのは避けたいことだ。
向こうの手が見えないのは1番困る。
きっともうお昼は過ぎている。
森に入る前に渡されたおにぎりが安全な木の上で待っている。
これを倒したら……
気配が変わる。
今までただ上を飛んでいるような物だったのに、急に方向を転換した。
そしてそのまま…
「落ち、てる？」
真っ逆さまに落ちてくる気がした。
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西 - この方角に福があるはずです
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kyon(プロフ) - はさん» コメントありがとうございます！わあぁぁ、ありがとうございます！面白いだなんてそんな、勿体ない言葉です…！もっと良いものが提供できるように頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。 (2021年10月27日 20時) (
レス) id: 91f42d209d (このIDを非表示/違反報告)
は - すごい面白くて、一気に読みました！更新楽しみにしてます (2021年10月24日 0時) (レス) @page5 id: 1fbe025c86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kyon | 作成日時：2021年9月19日 17時
