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委員長を決めると言った途端、あちこちで手が上がる。
委員長とかやらなさそうな雰囲気を持っているかっちゃんやデクくんからも手が上がっているのは、意外だろうか。
普通の学校ではこんなに学級委員志望者はいない。
ほとんどが雑用だし、あらゆる責任を背負うことになるし、嫌だと言う人はたくさんいる役職だから。
では何故、ヒーロー科ではこんなに志望者がいるのか。
それは、集団を導く、プロヒーローの素地が鍛えられる役職だからである。
プロヒーローとしての役割を、この学級委員長で学ぶ。
それが、こんなにも立候補者がいる理由だ。
私にはその役割を担う勇気がない。
体力テストでは目立ってなかったし、昨日も休んでいたし、みんな私の事よく知らないだろうし。
やった所で、私なんかに務まる自信もない、というのが本音だ。
みんなやりたいと言っているが、どうやって決めるのか。
このままでは一向に進まないけど、何か助言してくれそうな先生ではないし…
誰か何か言ってくれないかな、なんて随分と人任せな事を考えてる時。
教室の隅の席から、声が飛んできた。
「静粛にしたまえ！！」
横から声が聞こえた途端、各々の思考を一旦停止させ、一斉に声の持ち主の方に振り向く。
「多を牽引する責任重大な仕事だぞ…！」
「やりたい者がやれるモノではないだろう」
周囲からの信頼あってこそ務まる聖務
投票を行い、複数票獲った者が相応しいと。
メガネの飯田くん。
彼が1番やりたそうな感じだけど…
それでも発案したのは、やりたいと相応しいは別だと理解しているからだろう。
周りからはいろいろと言われたが、先生からの了承(と言えるかは分からないが)を貰ったので、結局投票で決めることになった。
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「ぼ、僕！？」
投票の結果、委員長はデクくんになった。
ちなみに私もデクくんに入れた。
無個性だったのに、ヒーローになる夢をずっと諦めなかった。
それと、私が一体どの目線で言っているのかは分からないが、あの威力あるパンチに将来を期待した。
デクくんの4票、八百万さんの2票、他の人の1票or0票で
委員長はデクくん、副委員長は八百万さんに決定した。
本人は緊張しているようだが、周りは納得しているみたい。
異論を唱える人は居ないし、みんな祝福モードである。
私も、直接言うことは出来ないが、心の中でこっそりと頑張れとエールを送った。
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作者名：kyon x他1人 | 作成日時：2021年5月22日 21時
